何言ってるんだ?コイツ……とは思わないで欲しい。何故か、大正の話だと勝手に思って読んでいた、1980年なのにね。理由は、第一部の語り手の講談師である。講談師を語り手に持ってくるのはリスクがある、講談師らしい艶のある語りが出来なければ、途端に嘘くさくなってしまうだろう。それを見事に描ききっている、粋人らしい洒脱の効いた文体、この見事さが、大正浪漫を彷彿とさせる。最後の粋人みたいでとても格好良い。そんな粋人の講談師が語る怖い話だ。面白くないはずがない。