女性であれば、一度は皆シンデレラのような存在にあこがれを抱いたことがあるのではないでしょうか。
おとぎ話の夢物語、魔法が息づくファンタジーのお話の、文字通りのシンデレラストーリー。
夢があるという一方で、荒唐無稽で現実味がないとも感じます。
ですが、実際に拾っちゃったんだからしょうがない。
しかも、雑踏騒めくターミナル駅で拾っちゃったもんだからまあ大変。
魔法も王子さまもない現実世界で、ちょっと非現実感あるそれをつい拾ってしまったら……?
そんな「もし童話のヒロインになれたとしたら?」という甘い夢と、「あるがまま、自分の好きなように生きる」という現実的な自由との対比が実にユーモラスです。
幸せを掴むためにガラスの靴で王子様を待つのか、それとも自らの足で歩くためにショートブーツを履くのか。
現実を生きる彼女の等身大の心を描いた、実に深みを感じる作品でした。