お前を魔法少女勧誘罪で訴えた!!
「これより裁判を行います」
封印したアル大臣を太陽に付ける等を神様達がしてくれた。コレで平穏な日常が戻ってくるかと思ったがまだ終わっていない。
そもそもで水堂輪駆、いや、リンクは魔法少女勧誘罪によって逮捕されており今までなぁなぁで見過ごされていたのでキッチリと清算をしなければならない。
「被告人は異世界の1つ、ソフト王国からやって来た王子、リンク。こちらの世界に移動し黒原カジツと接触をし、ソフト王国で起きたクーデターの主犯であるアル大臣を倒す為に伝説のミックスジュースを作ると言う計画を企てていました。我々が調べた結果ホップ、ギンジョウと呼ばれる怪人を既に黒原カジツが変身させ、夢が宿る果実コークとして戦わせました。その後彼女の通っている
「…………言葉にするとエグいな……」
キッチリと裁判をしなければならないので裁判を行うが普通の裁判所でなくオカルト裁判所で行う。
オカルト裁判所はネオ六法全書のもとで裁かれるのだが先ずは検察側が被告人ことリンクの容疑等を語る。
傍聴席に居るのは黒原カジツ、白川未来月、羽仁滴とその両親、そして涼風氷花……とオカルト課の上原と龍一と黒代だった。先ずは具体的な経歴を犯した罪に関して述べるのだが、サラリと酷いことが起きている。
今回がオカルト課でした初の仕事であり、事件の当事者だったりするわけで傍聴席を確保したので3人で見に来ていた。
「まず第一に水堂輪駆と言う存在しない人間になった事に関しては魔法少女勧誘罪が起きた時に存在しない人間になった一例は多々あります、既に確認をしましたが水堂輪駆には非常勤講師としての給料が手渡しで渡されており所得税や社会保険料を支払っていないので魔法少女勧誘罪以外にも脱税の容疑もあります」
「え……だ、脱税?」
「戸籍謄本を調査した結果、水堂輪駆と言う人間は居ませんでした……この業界では戸籍偽造についてはよくあり正規の手続きを行っていれば戸籍偽造は許されます。ですがそれは司法取引の一種です。被告人は国を挟まずにいきなり黒原カジツと言う一般人を魔法少女に勧誘しました。ここまでならば問題はありませんが彼女に接触してから学校に非常勤講師として入るまでに10日間の空白の期間があり、その間に政府側に対して何かしらのコンタクトを取り司法取引をした形跡はありません。被告人はソフト王国の王子であり外交とはなんなのかが分かっているのにも関わらず外患誘致に近い事をしました……」
検察側が淡々と罪に関して言っていく。
魔法少女勧誘罪とかこの業界に入ってはじめて聞いた罪なのに何事も無く進行されている。それほどまでにメジャーな容疑だったりするのか?と上原は疑問を抱く。しかしその疑問に対して誰かが答えてくれるという事は無い。
「黒原カジツから政府を経由せずにそのまま放置、自分達の存在を言ってしまったら何かしらの罰、ペナルティがあるわけでもないらしく……被告人及び黒原カジツは自分達だけでどうにかしようと誤魔化そうとしました。そしてここでご都合主義がが入り壊れた物などは都合良く元に戻るという展開が入り更に自分達だけでどうにかしようと考えた上で新たに白川未来月を魔法少女へと勧誘を致り、オカルト課に配属された上原純平が魔法少女勧誘罪の現行犯で逮捕……その後、ソフト王国のクーデターの主犯であるアル大臣と戦っており、アル大臣が送り込んでくる刺客、コールは異世界の力でしか倒せず既存の技術では倒すことが出来ないオカルト課が想定しているパターン黒と判明。魔法少女勧誘を受けた白川未来月及び涼風氷花がコールの力と魔法少女の力のサンプルを提供、研究所所長の吉木五鹿が研究した結果、我々の世界の概念等を押し付けることが少しだけ可能と判明し、アル大臣を封印。太陽に磔刑の処刑で事件は終わりました。現在コールの残党が襲撃してこないか等を調査しており今のところはコールの残党やクーデターを起こした事により支配下に置いたソフト王国の使者が現れた等の報告はありません……以上の事から日本という国及び白川家、黒原家、羽仁家がソフト王国に対して慰謝料及び損害賠償を請求したいです」
「損害賠償って……こっちは国宝の命の盃を破壊されているんですよ!?」
色々と語り最終的には損害賠償請求を行う検察。
それに対してリンクは国宝の命の盃を破壊された事について異議を申し立てる。
「被告人、そもそもで何故命の盃に飲むだけで何百倍にも力が膨れ上がる聖水が入ったままなのですか?……ソフト王国側の住人が一向に現れませんのでそちら側の法律についてこちら側が知らず尚且つこちら側で事件を起こしたという自覚はありますか?」
「……命の盃に入っていた聖水は平和の象徴、そもそもで命の盃は誰も触れちゃいけない物なんです。飲めば何百倍にも力が膨れ上がる聖水も本来ならば飲まずに置いておいて」
「いや、だからそういう呪物みたいな厄災にもなるアイテムは最初から破壊しようって考えはなかったんですか?現にアル大臣と言う人が命の盃に入っていた聖水を飲んでクーデターを起こしたじゃないですか。自分ならば管理出来るって思ってても自分以外の人が無理な可能性も考慮してください……そして命の盃を破壊した事についてですがコレは異世界呪物破壊と言う特例があります。命の盃に注ぐことではじめて真の力を発揮する乙女達が作った伝説のミックスジュースについて調査した結果、ミックスジュースよりも命の盃の方に力が宿っている可能性、そしてアル大臣が命の盃を奪う為に刺客であるコールを送り込んでくるつもりだった事からして異世界呪物破壊が適用されます」
国宝の命の盃を異世界呪物扱いされて破壊したことについて罪は無いと主張する。
そんな馬鹿げたことが通ってたまるか!と命の盃を貰った神話の時代について語るリンク……裁判官の表情は変わらない。
それはそれ、これはこれで割り切られており被告人であるリンクの異議について却下した。
「夢も希望も無い感じ……」
なんだこれ?と涼風氷花が疑問を抱いた。魔法少女物に見えているのにも関わらずに何故か裁判沙汰になっている。
魔法少女勧誘罪とか言う生まれてから1回も聞いたことがない罪に関して問われている……あ、脱税もしてたわ。
「この国ではまだ子どもとして認定される女子中学生を魔法少女に勧誘した……そちら側に色々と事情があったとして、親御さんにすら報告していない。この事については貴方はどういう風に認識していましたか?」
「そ、それは……カジツが……カジツが黙っていてとかそういう事を言い出して……カジツの両親に対しては申し訳ないし、自分自身が戦えないことを悔やんでいました」
「ならば何故最初から伝説のミックスジュースを作れる乙女達を探していなかったのです?」
「……え?」
「ソフト王国の歴史は知りませんが伝説のミックスジュースについて逸話として残っている、と言うことはつまりそういう事が起きると言うのが情報を仕入れることが事前に出来ていた。ならばソフト王国としての王子や当時の王達はこちらの世界に居る伝説のミックスジュースを作る事が出来る4人の乙女達を先に勧誘する、それが出来ていた筈ですが何故に無視していたのです?」
「それは……分かりません……まだ、ソフト王国の王子であって内政に関しては関与していなかったから……クーデターが起きた時に王である父に伝説のミックスジュースを手に入れろと子供の頃から聞かされていた伝説を頼りにこの世界に」
「前々からこの世界に干渉出来ていたのにしなかった事に関しては?」
「…………」
「スゴい、言葉の暴力でぶん殴ってるわ……」
リンクについて、命の盃の杜撰な管理体制に、どうして今までこちらの世界に関与しなかった等について聞かれる。
答えを持っていないリンクは必死になって弁明をしようとするのだが言葉が一切見つからない。言葉の暴力でぶん殴っている事に関して未来月は驚きを隠せない。
「では、質問内容を変えましょう。上原純平が仮に関与しなかった場合、黒原カジツ、白川未来月、羽仁滴、涼風氷花の4人を魔法少女としてスカウトし……ホントの意味での伝説のミックスジュースを作ったとして貴方は4人に対してどういう見返りを渡す事が出来ましたか?」
「……ソフト王国に招待して……ごちそうを」
「んなのよりも金が欲しい!」
「娘を食べ物で釣れる年齢だと思っているのか!!」
「先ずは戦わせている事について謝罪はないのか!!」
「傍聴席の皆様、お静かに……ソフト王国に招待し、ごちそうを食べさせる……その認識で?」
見返りについて聞けばごちそうと来たので怒ったのは氷花、未来月の父、滴の父だった。
氷花はシンプルに経済的に困っているからお金が欲しいと叫び未来月と滴の父は戦わせている事そのものについて謝罪らしい謝罪を一切してこない事について抗議をするが裁判官に静かにするように言われた。それでも抗議しまくるので防音の霊術を龍一が使い裁判官やリンクに届かないようにした。自分達が叫んでも叫んでも声が聞こえない、その上でもう1度静かにするように、静かになるように迫り黙らせた。
「……こっちの世界とソフト王国は貿易をしていない……だから、こっちの世界のお金は持っていません」
「資産的価値があるものを差し押さえしたりするので大丈夫です……土地が使えないのは厄介ですが、アル大臣が涼風氷花に純金の塊を渡したと言う情報を入手しています。そちらの世界にあるこちらの世界で高額で換金できる稀少な鉱石や貴金属等が無いのかソフト王国に立ち入ります」
「え……ソ、ソフト王国に来るんですか!?」
「損害賠償を請求する、と言う事になった場合等ではソフト王国に対して立ち入ります」
「そんな……アル大臣が悪政を行っているから倒すのはそんなに間違いなんですか!」
「少なくとも暴力で解決し場合によっては殺したりしないといけないので悪行です」
「っ……」
「即答だね……」
自分達の行いが悪なのか!と聞けば暴力で動き、更には殺したり封印したりするならばそれはいけないことと即答した。
なにかしらの形で裁判官が考える素振りを見せるのかと思ったのだが、そんな事は一切無い。あまりにも直ぐに答えたので滴は引いている……が、裁判官の表情は変わらない。
「だったら……だったらどうしろって言うんですか!!」
「黒原カジツに接触してからの空白の10日間の間に市庁舎に向かって市長に挨拶をする、もしくは国会議事堂に向かって事情の説明をお願いします」
「……………」
即答、即答である。自分がどういう風に行動すればよかったのかを聞けば空白の10日間の間にちゃんと挨拶に来ていればよかった。
こっちの世界にだってこの国にだってちゃんとした司法等があるのだから黙っているのでなく正規の手続きを踏んだり挨拶の1つでもするべきだ。
「これに関しては中々に無いですが……黙る事に関しては被告人は親御さんにすみませんと一言も謝罪せずに事を進めようとしました。空白の10日間があったのならば事情説明に1日、事情理解に1日を使ったとしても保護者に対して謝罪をすることは可能でしたよね?」
「………………」
「沈黙と言うのは肯定していると言う扱いになりますので異論があるならば異論をお願いします……今回は貴方に対して弁護士はついてはいませんので自分で自分を弁護しなければなりません……そういうこと、と言う認識になりますがよろしいですか?」
検察に詰められれば黙るリンク。
沈黙をしているのは肯定していると同じ、そういう事だと認識するが構わないか?と裁判官が聞いた。
その後も検察側が色々と問いかける。殆どの事に対してこの場合はこうすればいいという答えが出てきた。それをしなかった……親御さんにすら挨拶もしていない。
「被告人に判決を下す。ソフト王国は日本と言う国に対して侵攻をしてきた、侵攻目的はこちらの世界の支配でなく命の盃を持っている被告人から命の盃を奪うため。その事を被告人は理解しており隠そうとしていた。悪意らしい悪意は感じ取れないものの、国を通さず場合によっては最初から無かった事とする可能性が秘められている。被告人は魔法少女に勧誘した黒原家、白川家、羽仁家の3つに彼女達が将来的に入手することが出来た可能性を考慮し1家族に対して1億円の支払い、更には因涼女子中学理事長を洗脳したので理事長への2億円の支払い、日本に対しての損害賠償について10億の支払い。合計15億円を支払ってもらいます」
「っな!!法外だ!!普通は300万ぐらいが妥当だろう!!」
「それは浮気が原因の離婚の時の慰謝料の相場です……今回に関して言うのならば子供を巻き込んだこと、特に白川未来月は受験シーズン真っ只中なところで動かそうとしましたよね?法外に見えますが、国の王子が亡命をしてきたと思えばこの国で代理戦争をさせたと認識……過去にこの魔法少女勧誘罪で勧誘された魔法少女が事件を解決中に殺された、受験シーズンなのに受験勉強の邪魔をされて模試でA判定だった有名な学校に落ちたという事例があり…………人の人生、ましては将来が掛かっているホントに大事な時期に戦わせました。場合によっては人生の稀少な学生生活を潰された。また、理事長を洗脳したので場合によっては理事長の教育者としての名誉等を損失させる可能性もあり、丸坊主にされた被告人が解雇されずに学校に残っているので既に色々と噂が立てられており学校の信用を失っております。命がけの異世界との代理戦争の場合であれば生涯稼ぐお金の半分程度の金額が妥当、学校としての信用と信頼は時間をかけて築き上げているので妥当。また、異世界とこちらの世界では物の価値等が違うのであると判断をし、更にはそちら側が二度と干渉しない可能性を考慮しこの額になります…………」
「そんな……………そんな大金、払えないよ……」
「後日、幻想鑑定士の
桁が1つか2つかおかしくないだろうか?
未来がある裕福な家庭の子どもの人生が危うく潰されかけた……とある物語では金は命よりも重いと言っている。しかし、今回はもしかしたら巨万の富を生み出す可能性を持っている子供達のホントに大事な時期を干渉した。この罪に関しては重いものであり……お金と言うシンプルな物で解決することが出来るのならばまだいい方だろう。なにせ過去に受験を失敗させられたり魔法少女勧誘を受けた者達が殺されたという一例もあるのだから金で解決できるだけまだマシなのである。
「って、あれ……私には支払われない感じ?」
「お前の場合は司法取引とかしたし敵側に居たって経歴があるから損害賠償云々とか無し……それから今後の生活費の支援とか将来的にオカルト課に入るとかそういうのがあるから……………金のためとは言え悪に走ったのはアウトだからな」
「え〜……1億円も貰えるんだったらコールに力を貸すんじゃなかった……後悔って感じ」
涼風家に対して損害賠償云々の請求は無かった。
なんで自分に無いの?となっているのだが、悪党についた。幸いにもなにかしらの被害を与えたわけではないし、クソ親との縁を切ったりすることが出来て全寮制の中高一貫の私立の学校に学費がタダで通えて大学までの費用を補助、しかも弟も妹もとなっているので割と好待遇である。事務員の黒代がオカルト課に将来的に所属出来る様にいい感じの待遇になるように上手く動いている。
「明日はお前の裁判だが猿七が守ってくれる……大丈夫、あいつは物凄く口が上手いからな」
翌日の涼風氷花の裁判は猿七が弁護士として弁護された。
親がどうしようもないパチンカスで家族の縁という汚い鎖で縛り付けられていた等を理由に猿七が弁護した……その結果、大学までの費用を勝ち取ることに成功。しかし、夏休みや冬休み等の長期休暇は無償の奉仕、そしてオカルト課に対して1年間は手取り11万円で働かなければならないと判決が下った。
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