語り口のするするとした感じが読んでいてとても楽しい。ユーモラスな表現も多く、多くの人が楽しく耳を傾けるような文章。自分の欲望が満たされない、という経験は大なり小なり誰しもが経験することで、それがなんと唐揚げなのだから身近に感じる。身近な人間のそういう欲望を横からかっさらっていく行動は自省を促すし、ついでに唐揚げが食べたくなる。そういう、おいしくも共感のエッセイだと思う。