読み進めてまず感じたのは、「数字なのに、人の人生が見える」という不思議さでした。打ち切り率や続刊率という一見冷たいデータの裏に、作家さんの努力や読者の選択、編集部の判断が静かに重なっているのが伝わってきます。ただ結果を並べるだけでなく、レーベルごとの方針や傾向を丁寧に言葉にしていて、「なるほど、そういう見方があるのか」と何度も立ち止まりました。
特に印象的なのは、打ち切り=失敗と決めつけず、完結や戦略の違いとして捉えている視点です。夢を見る側にも現実を見る側にも寄り添っていて、読み手に考える余白を残してくれます。ラノベが好きな人にも、書く側を目指す人にも、静かに背中を押してくれる創作論でした。