四万五千字を綴ったその筆は、きっと良い事ばかりのものではない。青さとは拙さという意味も含有する。粗削りな部分がある事も、もしかしたら否定できないかもしれない。しかしそれは裏を返せば、奇を衒わず小手先の技術に頼らない真っ直ぐな物語だという意味でもあり、だからこそ、純粋な想いが胸に響く。
物語は、常に前を向いている。常に空を見上げている。その足で駆け、眼差しを遠くへ向け、どこかへ至ろうとする強い意思が行間から溢れ出している。
最近の自分は何だか惰性で書いているけれど、昔はこんな風に必死に、何かを噛み締めながら、心を削りながら物語を描いていた事を思い出した。小手先の技術だけでは小説は書けない。核となる鳴動する魂が無ければ、物語は綴れない。僕は、貴方の筆が羨ましくて仕方が無い。
スポーツジャンルの物語は人生初で読みました。
特に何も知識も皆無状態で読み始めたのですが、作中に分かりやすく書かれていたので、理解するのに時間はかかりませんでしたし、読者が置いていかれるなんてことは全くなくて安心して読了出来ました。
それも、一気にルール説明をするのではなく、物語に沿って、徐々に書いてあるので、なかなか読み応えがあります。
主人公の気持ちが痛いほど私は伝わりました。なぜなら、似たような経験が私の身にもあり、その事がリアルに執筆されおり、私が諦めてしまったことを、彼女はめげずに行っている青春ストーリーです。
「対して記録も残さないのに続ける意味無いでしょ」このセリフが1番刺さりました...。周りからどう思われているか、結果が出ないのは本当に辛いことです。"魅力的"という理由でめげずに頑張る主人公は徐々に結果を僅かに出し続け、物語を惹き付けさせます。目が離せなかったです。
自分が味わえなかった「青春」を身に染みてこの小説で感じました。
仲間がいたから彼女はここまでめげずにできたのではないかと思います。
読み始めたとき、私にとって主人公・つばさは遠い存在でした。
私には陸上競技などスポーツの経験もありませんし、つばさのようなまっすぐさも、青春と呼べるような時間を過ごした経験ももない。この物語に共感するのは難しいかもしれない、そんな風に思っていました。
しかし、そんな不安は杞憂で。
読み進めるにつれて、つばさやその周りの人々に惹かれ、物語の世界線に飲み込まれていきました。つばさや先輩、イッセーくんに心を掴まれ、ずるずると感情移入していきました。
つばさが悔しければ悔しい、嬉しければ嬉しい。そんな思いにさせられました。
文章を通して登場人物の感情がまっすぐに心に伝わってくる素晴らしい作品です。
また、陸上競技についての説明も丁寧にされており、前述の通りスポーツ経験のない私も非常に読みやすかったです。その辺りも世界観に入り込めた理由のひとつだと思います。
本当に素晴らしい作品です。
ぜひ、読んでみてください。
(夜中に読み始めるのはおすすめしません。私は夜中に読み始めて次の日遅刻しかけました笑)
最後になりますが、U-24杯大賞受賞おめでとうございます。
これからも素敵な作品待ってます。
まずはU24杯の大賞授与、おめでとうございます。
この作品は陸上部の作品なのですが、なんといっても美しさがすごいです。
文字から溢れる色彩や匂いを感じられて非常に良いです。
やっぱりいい記録じゃないと悔しいですし、どんなに苦しくたって部活をやりたいってなります。
そんな中学や高校で部活動をやっていた人ならわかると思うようなことが書かれていたのもとても良かったです。
16話で完結しているのにもある意味があるらしく、その理由を知ってとても驚きました。ここまで考えられているのか。
脱帽、と言いたいところなのですが私には立派な帽子がないので頭皮を剥がしたくなりました。
こちらは本編では書いていないので近況ノートをご確認ください。
これは絶対に読んで後悔しません。