詩『小雨』

音雪香林

第1話 小雨

さらさらとした

あまりにもはかなあめだった


かさなどさず

身をまかせてれてしまいたい


けれど私は

傘をてることも

閉じたまま手に持ち続けることも


できなかった

良くもしくも凡庸ぼんような人間の私は


傘を差す

それが悪目立わるめだちしない方法だから


雨の日は傘を差す

そんな常識が


私を壊す

内側から


パキリと音が鳴った

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詩『小雨』 音雪香林 @yukinokaori

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