呪縛霊
無意味の意味
呪縛霊
信じないでしょうけど。
幽霊視えるんです。
近所に住んでた中年の女性なんですけど、数年前に亡くなって。
気付いたら自分の左隣りにいるようになったんですけど、
恨まれるようなことした憶えもないし、特に何かされるでもないんです。
唯々そこに立ってる。
自分でもおかしいって分かってるから医者にもかかりましたよ。
一応症状はそれだけなんで、薬もらって飲んでますけど。
彼女は消えてくれないんですよね。
会社でも精神科に通ってるってんで営業職から外されて内勤に異動になったり。
給料は変わってないんですけど出世の見込みはないですよね。
自動車の運転してても時々変な操作したり。
主観的には助手席に彼女が座ってるんですから。
何かもう頭おかしくなりそうで…もうおかしいのかも知れませんけど。
視えないはずの相手と常時同伴ってストーカーより悪質ですよね。
警察から警告してもらう術もありませんから。
…彼女の気が変わってどこかに行ってくれることだけを期待して生きてます。
*
そう言って彼は店を出て行った。
ただ、私が彼に伝えていないことが一つある。
彼と会った時から私には「彼女」がハッキリと視えていたということである。
呪縛霊 無意味の意味 @kokurikokuri
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます