第20話

「じゃあ、行きますよ!」

「お願いします」

「行ってらっしゃいませ!」

 タリアーナに見送られ、セレスティーンは出発した。






 王宮に到着したセレスティーンは門番に見とがめられてもめた。古ぼけた娼婦まがいのドレスは場違い過ぎる上、乗って来たのは荷馬車だ。不審者と思われても仕方のないことだった。


 招待状を見せると、門番は何度も何度も確認したあと、ようやく彼女を通す。

 会場に入ると、エスコートのないセレスティーンはざわめきとともに白い目で見られた。


「一人でいらっしゃるなんて」

「御覧になって、あのドレス……に似た変なお召し物」

「まさか仮装のおつもりかしら」

「今日のドレスコードには仮装はありませんでしたわよね?」

「あの方ですわね。傷物と噂の」

「あれが! まあ、首筋に怖ろしい痣が」


 もはや陰口ですらなく、公然とセレスティーンをけなす令嬢たち。

 セレスティーンは聞こえないふりをして会場を見渡した。


 探すのはただ一人、紫の髪の彼。

 だが、どこにもそんな人は見当たらない。


 何人か頭に羊のような曲がった角をつけ、青や緑の髪をしている人がいた。今日は魔族の国との扉が開く日だ。本当に魔族かもしれない、とセレスティーンは緊張した。

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