夢の中の君達がどんどんエロく、しかもヤンデレになってきていて、とても困る
うるちまたむ
第1話 淫らな僕と彼女と彼女
ここ最近、いつも同じ夢を見る。
制服姿の女の子に馬乗りされているところから始まる、そんな夢。
ただ、女の子の顔の部分は影になっていて、いつもよく見えない。
でも、見覚えのある髪の毛に入った赤いインナーカラーに、主張の激しい大きな胸。
だから、その女の子は同級生の
そんな夢の中の帆邑さんは、馬乗りしながらも制服を1枚、また1枚と器用に脱ぎ捨てていく。
最終的に彼女の体を覆うのは面積の少ない下着だけ。
カーテンの隙間から覗く月夜に照らされた、帆邑さんの姿はいつも美しい。
いつまでも見ていたくなるほどの、その美しい肢体を僕にぴったりと重ねれば、帆邑さんは僕の顔や首を犬のようにクンクンと嗅いでから、啄むようにキスをする。
それが終われば、僕の手の指を一本一本丁寧に舐めていく。
前者がマーキングであれば、後者はまるで奴隷のような奉仕活動だ。
憧れの帆邑さんに背徳的なことをしている───興奮が高まりに高まったその時、夢は突然終わりを迎える。
続きが見たいといつも思うのだが、必ずここで終わってしまうのだ。
そんな僕の思いを無視する様に、二つ目の夢が突然始まる。
この夢に出てくる相手の正体も実は分からない───けれど。
美しく靡く銀髪。はち切れそうなくらいムチムチの太もも。そして、帆邑さんと同じ女子の制服。
そんな全てを兼ね備えた人物は、クラス委員で一緒になったファルナさんしかいない。
夢の中の彼女は、僕の前にいつもお尻を突き出している。
下着が見えていることなど、まるで気にしていないように。
そんな汚れを知らない純白なお尻を、僕はパシンと叩く。
段々と赤くなっていく肌。
ブルンブルンと揺れる太腿。
部屋に響きわたる嬌声。
それら全てを無視して、僕は彼女のお尻を叩き続けていく。
たまには優しく、時に激しく。
この行為は僕、はたまたファルナさんが満足するまで、永遠に続く。
それが終わったあとは、何故か急に膝枕が開始される。
ファルナさんのムチムチの太ももを肌で堪能できるから僕はとても嬉しかったりする。
けれど、2つのプレイの差にいつもビックリしてしまったりはする。
夢は大体繋がりのない荒唐無稽なものが多いから、そんなものなのかもしれないけど……。
そうして夢は唐突に終わりを迎えれば、朝がやってくる。
その度に僕は、いつも自己嫌悪に陥るんだ。
二人は、芸能人にも匹敵するくらいとても綺麗で可愛くて。
クラスどころか、学年を問わず人気の高嶺の花的存在だ。
そんな雲の上の二人を夢の中とはいえ、自分に都合のいい性奴隷の様に扱う。
それがとても恥ずかしくて。烏滸がましすぎて。
いつも嫌になるんだ。
『思春期を拗らせた高校生だから、どうか。どうか、こんな僕を許してほしい!』
届けることの出来ない謝罪を内心で小さく呟きながら、僕はまた学校へと向かう。
♢
「はよー、
「あ、おはようございます、帆邑さん」
教室の外を見ていると、不意に自分の名前を呼ばれたので振り返る。すると、そこにはまだ少し眠そうな表情の帆邑さんがいた。
いつもこんな感じなのでどうやら、朝が弱いらしい。
「その帆邑さんって言う呼び方どうにかならないの?
帆邑さんは不満気に口を尖らせながら、隣の席に座る。
1ヶ月ほど前にあった席替え。
その時に偶然、帆邑さんと隣同士になった。
これをきっかけに、こんな感じで朝の挨拶を交わせるくらいには仲良くなったのだ。
一生分の運使っちゃったかも!
……なーんて前までは呑気に思っていたんだけど、最近は夢のせいで申し訳ない気持ちでいっぱいだ。
今も会話をしながら、彼女の目を一回も見られずにいる。
「中々、呼ぶの慣れなくて……アハハ」
「じゃあ、練習しよ? ゆっくりでいいから、はいっ」
「あ、あ……灯里さん?」
「同い年だから、呼び捨てでいいって!」
「それはでも……っうぇっ!?」
帆邑さんが急に、僕の肩にギュッと引っ付いてきたので変な声をあげてしまった。
たまに帆邑さんは、こういうボディタッチをしてくるから困ったものだ。
先ほどまで静かだった心臓が途端に騒がしくなる。
「変な声あげちゃって……どうしたの? もしかして……アタシの胸が当たってるからかな♡」
「う、う、あの……はい……」
は、恥ずかしすぎる……。
僕が赤面しながら正直に答えると、帆邑さんはニヤリと妖しく笑う。
「悠来ってばかわいいーっ♡」
どうやら、彼女のイタズラスイッチを完全にONにしてしまったらしい。
帆邑さんは惜しげもなく、更に胸をぎゅむりと押し付けてきた。
「ほ、帆邑さんダメだよ……!
「ほらほらー!もっと味わっちゃいなさいっ! Hカップの女の子なんて中々いないんだからーっ♡」
「……えいち!?」
A、B、C……つい頭の中で指折り数えてしまう。
大きい大きいとは思っていたけど、そこまで大きかったなんて……。
「もっと……する?」
「だ、大丈夫です!ちゃんと呼びますから! 灯里!ほら!」
「んー、よく言えたね!じゃあ、ご褒美ー♪」
華が咲くほどの満面の笑みを浮かべると、今度は胸だけでなく全身を押し付けてきた。
朝から、え……えっちすぎるよ、帆邑さんっ!
「は、離れてぇ!」
情けなく抵抗する僕の声を帆邑さんは当然の如く無視。
結局、朝のホームルームが始まるまで、そのまま僕から離れてくれなかった。
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