嫌いになりたい。

こよい はるか @PLEC所属

嫌いになりたい。

「ごめん」その三文字が

どれだけ刺さるかって

きっと君は知らないよね。

だって「好き」を知らないから。


恋をして、実ったら

「リア充」なんて言うけれど

君は充実してるよね?

恋なんか知らなくても。


羨ましかったんだ。

周りの表情かおに左右されず

自分で悲しんだり、笑ったり

してる君が羨ましかったの。


でもやっぱり

私の表情なんかじゃ

君の心は動かないって

そんなの分かってるけどさ。


これから先そんなこと

ある訳がないって分かってるけどさ。

君にもを知って欲しいの。

分かってくれないかな?


確かに君みたいに

恋をしなくても

幸せに生きていける人は

沢山いる。


でも私はやっぱり

君の気持ちに左右される

それが何だか楽しくて

いつの間にか君を目で追っていた。


昔は表情のなかった君が

卒業式に涙ぐんでるのが

誰かの話に笑ってるのが

私はとても嬉しかったの。


例え君にとっての“君”が

私じゃなかったとしても

それでもいいから

この気持ちを知って欲しい。


――なんて、そんなのは綺麗事でさ。

やっぱり私は君に振り向いてもらいたくて。

君にとっての“君”は

やっぱり私であってほしい。


他の人が隣に立ってるなんて

許せないの。

私が隣に立ちたい。

君を笑わせたい。


それができないって分かってるから

私は君を嫌いになりたい。

こんな気持ち知らなきゃ良かった。

君を好きにならなければ良かった。


これ以上苦しみたくない。

これ以上辛くなりたくない。

嫌いになってしまえば

もう辛くないの。




でも、




簡単に気持ちは消せない。


ねぇ、教えてよ。


なんでもいいから、教えてよ。


お前なんか嫌いだって言って。

近づくなって言って。

別に居なくなってもいい。

私に、君を嫌いになる術を教えて。




呆れた時の低い笑い声も、

成績が良くてはしゃぐ声も、

苦笑いとか全開の笑顔とか、

スポーツしてる時の逞しさとか、


転んだ時の情けない笑顔とか、

友達に問題を聞くその声も、

なんかもう全部、








――嫌いだって言いたいよ。

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