百鬼夜行リテラル

莞爾

0:エピグラフ



  ずっと覚醒し続けることができる者、甘い慰めを必要とせず、守らなければ

  いけない「私」を持たない者にしか、全存在を投企することはできない。

  「明日が来るのがこわいの」と泣きながらすがりつく夢は、日曜日のような

  もの。月曜日はその後必ず来る。そのような夢は日常の中で、日常を送るた

  めに癒し手として用意されたものであり、日常の一部分に過ぎない。


  目覚めなさい。

  現実から目覚め、「私」から目覚めなさい。

  もっと深く夢見たいのなら。


    (二階堂奥歯『八本脚の蝶』より 2001年10月25日(木)の一部を抜粋)

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