第29話:羞恥の快感化

昼休みの図書室。


机の下には、僕と──早坂悠真。


最初は、命令に抵抗していた彼。


でも、何度も命令されるうちに──変わってきた。


僕の手を握るその指が、今は深く絡んでくる。


羞恥に震えていたはずの顔が、どこか気持ちよさそうだった。




黒瀬しおり


「悠真くん。陽太の手、もう一度握って。……指、絡めて。そう、深く」


早坂悠真


「……っ……でも……嫌じゃない……。なんで……」


橘ひなた


「うわ〜、自分で言っちゃった。“嫌じゃない”って♡」


宮本つばさ


「ふふ。羞恥が快感に変わる瞬間──腐女子として、見逃せないわ」


黒瀬しおり


「陽太。“僕は命令されると気持ちいいです”って囁いて。悠真の耳元に」


早坂悠真


「……っ……やめ……いや……もっと……」


橘ひなた


「ねえ、今の声、完全に“欲しがってる”じゃん。悠真くん、もう犬の顔だよ♡」


宮本つばさ


「じゃあ言って。“僕は命令で男と絡まされると気持ちいいです”──自分の言葉で」


早坂悠真


「……僕は……命令で男と絡まされると……気持ちいいです……」


宮本つばさ


「……ふふ。前は“しおりちゃんだと思って”って言われなきゃ触れられなかったのに──」


「今はもう、“しおりちゃんだと思わなくても”絡めるのね。……陽太そのものに、触れてる♡」





羞恥は、命令の中で育ち、快感へと変わる。 そして今──命令がなくても、手が自然に動いていた。 放課後の図書室。 誰もいない静かな空間で、ふたりだけの時間が始まる。

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