第10話:呼び出し命令

放課後の図書室。


机の下に呼び出された僕は、いつもと違う“声”を感じていた。


黒瀬しおりは、僕の異変に気づいている。


そして今、それを確かめるために──“尋問”が始まる。




「……最近、様子がおかしいね。何か、あった?」


「命令に対する反応が、微妙にズレてる。……誰かに、触られた?」


「言いなさい。黙ってたら、罪を重ねるだけ」


「……カラオケ。誰と行ったの?」


「橘さん? ……ふぅん。あの子、あんたに何をしたの?」


「首輪、見られた? 触られた? 命令された?」


「……全部、喋りなさい。細かく。順番に」


「……なるほど。面白いこと、してくれるじゃない」


「じゃあ──呼び出して。今すぐ。橘ひなたを、ここに」


「私の犬に手を出した代償、ちゃんと払ってもらうから──逃げられると思わないでね」




しおりの声は、冷静で、鋭くて、揺れていた。


僕はただ、命令に従うしかなかった。


──放課後の図書室。


支配者同士の“対面”


その空気は、静かに、しかし確実に熱を帯びていく。

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