第二章ギャルの参加

第5話:ギャルの好奇心

昼休みの教室。


窓際の僕に、金髪ポニテのギャル──橘ひなたが声をかけてきた。


昨日、黒瀬しおりをかばった僕の姿を見て、彼女は興味を持ったらしい。


普段は交わらない距離感。けれど今、彼女の目は僕を“面白そう”に見ていた。




「ねえ、昨日のあれ──あんた、ちょっとカッコよかったじゃん?」


「あんな空気で動けるなんて、意外すぎ。……ちょっと見直したかも?」


「……って、なにその顔。照れてんの? かわい〜」


「あんたって、喋るとすぐ顔真っ赤になるよね。……もしかして、女の子苦手?」


「ふぅん……でも、なんか違う。照れてるっていうか──反応してる?」


「ねえ、ちょっとだけ試してみていい? 命令されたら、従っちゃうタイプでしょ?」


「……あ、目逸らした。やっぱ図星? やっば、ほんとに反応してるじゃん」


「ねえ、“オモチャ”って呼ばれたら、ゾクってする? ……今、ちょっと震えたよね?」


「誰にも言わなくていいからさ──ちょっとだけ、あたしの“オモチャ”になってよ」


「あんたのその顔、もっと崩したらどうなるんだろ。……弄ばれたがってる顔、してるよ?」




橘ひなたの言葉は、軽くて甘くて、でも鋭かった。


僕の中の何かが、確かに揺れた。


──ただ、そのやりとりを、彼女が見ていたことに、僕はまだ気づいていなかった。

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