第35話 さくらのあ様の作品
企画にご参加ありがとうございました。
シリーズものの流れでお書きになったようなので、本作だけでは説明が足りてないように感じたところがありました。
とはいえ、他の方々と変わらず感想は書いていきます。
では、早速……
♢
その人間の町は、滅ぼされた。魔族を統べる、悪しき魔王の手によって。
「リト……マリー……、うぅっ」
「なんでお前が泣くんだよ。魔王の息子だろ」
と、リトは呆れた様子だった。
「本当に、かっちゃんは泣き虫ね」
と、マリーは苦笑いしていた。
人間の二人から家族と故郷を奪ったのは、ボクの父、魔王だった。許せなかった。
→リトとマリーが人間で、かっちゃんが魔王の息子ってこと? なぜ、かっちゃんは人間側にいるの? ちなみに話している場所は滅ぼされた故郷なのでしょうか? だとしたらリトとマリーがやたら明るく感じました。
「ボクは絶対に、父を――魔王を倒して、人間と魔族が仲良く暮らせる世界にしてみせる」
→魔王と魔族の関係って、どうなっているのでしょうか?
「ふーん。――ばあっ!」
「うわあ! ……うえーん」
リトが驚かしてきたせいで、ボクはびっくりして、泣いた。
「こら、りっくん!」
マリーに怒られてリトは舌を出す。その彼が、ボクの顔に何かを雑に被せてきた。かえって視界が暗く狭くなったおかげで、少し落ち着く。
「仮面を被っている間は、お前はヒーローだ。ヒーローが泣いてちゃダメだろ?」
→何か、は袋? と思ったけど、外は見えるから、目元は空いてるんですね。この時点ではまだよいのですが、後半にも仮面の描写があるので、同一なら見た目の描写があった方が。
「これで、かっちゃんの正体も隠せるわね。私たち三人ならきっと魔王を倒せるわっ。むんっ」
→かっちゃんの見た目は、見た目だけで魔王の息子とわかるってことですかね?
――だから、今、ここでやらねば。人間である二人はきっと、二度とここには立てない。
だというのに。私は、何を迷っているのか。あの日誓ったというのに。
仮面を被れば、私はヒーローだ。だが。
――ヒーローは、人を殺すのか?
いや。……ただ、殺すのが、怖い。
→魔王は人なのですか? 殺すのが怖いということは、魔王に至るまでにそういう戦闘はしていないということ? 戦争をしていた昭和の人間の方がメンタルが強いことに!
『余は、魔族の充足を一に考えている。そして大半の魔族が考えるそれは、人間よりも良い待遇を受けることであり、人間を虐げることでもある。……不満が蔓延すれば、魔族たちは我の血筋を根絶やしにするだろう』
……それはもう、十数年も前に魔王が言ったことだ。
『――もし、お前が人間に泣かされるようなことがあれば、余がその国を滅ぼしてやる』
自分の家族を守るために。父は強い魔王の仮面を被っていた。そう、知っていた。
あの日、父が二人の故郷を滅ぼしたのは。
もしかすると、二人以外の人間たちにいじめられた私が、泣いていたからかもしれないのに。
→だとして、かっちゃんが置き去りなのはなぜに?!
迷いの隙に、わずかに力を取り戻した魔王は、魔法でリトを引き寄せた。その勢いで私を突き飛ばし――リトの背中を魔王自身に貼りつけ、盾にした。
→かっちゃん!しっかりしろ!www
魔王に人質にされたリトは、仮面の裏にいる私に、そう叫んだ。
→ここで仮面をかぶっていると明記されるのですが、どんな仮面なのか気になります。
けれど、そんなことをしたらマリーが、悲しむ。現に今も、泣きそうな顔をしている。ただ、やめてと言わないだけで。
→自分もマリーならそう思います。
だから――リトごと、魔王の心臓を貫いた。
「何……!?」
咄嗟に魔王が放った魔法が私の仮面を割り、目の下を掠める。
「やはり、お前か。カムザゲス――我が息子よ」
→心当たりがあったんですね。
――彼の覚悟こそ仮面だったのだと、気づいてしまった。
→人間と魔族の和平のためには父殺しをし、友人すら殺す覚悟こそ仮面ということですかね。ただ、父殺しの葛藤は感じなかったので、殺すという行動に対してでしょうか。父とは思い出もなさそうですが、友人殺しとなるとトラウマですね。
代わりに誕生したのは、人間の友を殺した、罪深き新たな魔族の王だ。
→父魔王が死ぬと、自動的に魔王になるんですね。
「一度被った仮面は、二度と外れぬ。――死するその瞬間までな」
→戦闘前、戦闘中、戦闘後でかっちゃんの立場がかわり、その立場=仮面は容易に変えられない、という風に読みました。
♢
総評
あの時躊躇わずに魔王を仕留めていれば……!w
仕方ありません。ストーリーのためには。
クライマックスシーンの切り取りなので、面白かったのですが、設定の見えないところが気になりました。
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