異世界転生悪女~善良女、性悪少女になる~
悠希
一日目
ある日、18歳を迎えた女性
本名、名目地真子(なめじ・まこ)
は、思い出した。
「今まで、良く頑張りましたね。
何度生まれ変わっても善良を貫いたあなたに
来世は、自由をあたえましょう」
そうして、18歳の誕生日である午前0時を迎えたエリザベートは
名目地真子の記憶を全て思い出したのだ!
異世界転生悪女~善良女、性悪少女になる~
大邸宅との自室のベッドで
その事を自覚した
真子は、エリザベートは歓喜した。
行ける!
ここまでの人生で、さんざんわがままを言ったこの女なら
いけめんを、集めるだけ集める事も
好き嫌いをいいまくって、グルメ放題をすることも!
高いドレス
貴金属!
宝石!
これは、ご褒美って、言われたじゃない
好き放題するのに、何の邪魔もない
なにより、今日から18歳!
大人な恋愛の開始時間!
さぁ、何からしようかしら
まずは、朝を
朝を待つのよ、ちゃんと睡眠を取って。
翌朝
すぐにすることは身だしなみだ。
ちゃんと、自分でできる事は自分でする。
顔を洗うのに、お湯を用意しなくては
取りに行こうとして……
メイドさんをちゃんと呼ばないと
机の上にあるベルを鳴らして
メイドさんを呼んだ。
ぺこぺこと、私の起床より遅れた事を謝るメイドさんを
やんわりと今日はたまたまだと、赦し
お湯を用意させ
身支度をしてもらう
そうか……自分で、もうしなくて良いんだ。
毎日の日課としてしてもらった事をする。
朝食も……
栄養バランスが偏ってるけど
今まで、偏食だったもんね。仕方ない。
次からは、彩もそろえて
と、言うと
メイドさん達が驚いた顔をしていた。
午前中
何もする事がないかと思っていたら
商人のウサン・イサークが来たとのこと
今世の記憶によると……
宝石を良く扱ってる方だ。
さっそく応接室で商談の準備をする。
きっちりと背筋を伸ばして座っている所に
入室を許可し
入って来たところを……ここは目上だし
着席したままで良いか
そのまま、対面のソファーに座る事を許可
時候の挨拶もそこそこに
さっそく、商品を見せてもらおうとするも
何時にもまして綺麗だとか
(髪も整えてるし、化粧もしているものね)
おしゃれになってるいとか
(着るだけじゃなくて、アクセサリーもちゃんとしているしね)
気品がとてもあって
18歳の大人になって生まれ変わったようだと言われた。
うん、ほぼ事実。
歯の浮くような事とはこのことかと……
挨拶を打ち切り
頼んでいた宝石を見せてもらう。
が
ないわぁ……
今までの私はどうも
宝石が大きければ大きいほど良いと思ってたらしい
デザインもなにもあったもんじゃない。
好みが変わった
ただの
石
は、もういらない事を伝えると
さきほどの入室時と同じくらい
目を丸くして退室していった。
昼食
お父さまと一緒に取る。
急におしとやかになったな
と、大変喜んでくれた。
今まで、どういう 食事をしていたのか聞きたいくらいの好印象。
知ってるから
絶対に聞きたくないけど……
テーブルマナー
ちゃんとは知らないけど、食器くらいはちゃんと使いますよ。
食後のティータイム
お貴族さまは、とにかく食事時間が長いよね。
ずーっと食べてる気になる。
そこに、領地運営をしている
カイン・ダリリが到着。
今年は雨が少なくて……
って、ちょっと待って
なんで、そのまま放置して収入が少ないから
年貢を上げるなんて言うの?!
それじゃ、皆困っちゃうでしょ?
思わず、こちらから支援しようとすると
下民なんてどうでも良いだろう?
と、お父さまとカインに言われた。
えっーと、えーっと
そうだ!
支援物資を送って来年に倍額の年貢として払わせると言う事にした
そうすれば、恩も売れるし
こっちの評判もきっと上がるし
一年待つだけで収入も上がる
それも、向こうが必要なんだから断れないはず
それは、とても良い
かしこい娘で嬉しい
と、この提案も大好評だった!
そして、忘れていたけど……
今夜は、私の誕生日パーティー
ようやく、たっくさんのイケメンと出会えるし
なんなら
数人
は、飼っても良いと言われた。
飼うって
うちの公爵家は近隣の貴族から人質を取る関係なんですって
わからないと思うが
一応説明するとお父さまに言われた。
娘をバカだと思ってらっしゃるようだ。
今までの事を考えると……そうだよね。
としか、思えないのがつらい。
パーティーが始まった。
夕食も取らずに大広間の上段から見下ろすように
お父さまにエスコートされて下を見る。
おお!
いるいる、きらびやかな
……悪趣味なキンキラがいっぱい。
金と宝石ばかりで重たくないんだろうか?
いや、それに負けない
イケメンや美女の群れだ。
今は、その事を楽しもう
いや、時間的にお腹すいたな。
観賞は後にしちゃだめなのかな?
いいか!
なんたって、私は悪役令嬢だもんね!
「そこのメイド。
そちらのスープと、チキンをこちらに」
あわてて、メイドさんが持ってくる
急がせてしまったかな?
「ありがとう。
転ばないようにね」
すかさず、微笑み返す
うん!
これは、好感度上がったんじゃない?
そのメイドさんは青い顔をしていた。
パワハラ的な皮肉になっちゃってたか……
ま
まぁ、それが私の立場だし
傷ついてなんかないもん!
た、食べよう
おいしい食事だ。
軽く、もしゃもしゃしていると
お父さまから
「そろそろ、こっちに来なさい
品定めするぞ」
と、声がかかる。
待ってました。
イケメン、イケメン
と、喜んで舞台上の豪華な椅子に座る。
椅子とは言え舞台上で座るの恥ずかしいなぁ……
そして
それは、突然おこった。
「シーセ・ミーメです。
本日は、公爵家で勉強させて貰えると言う事で」
そう言ってたのまでは覚えてる
その後がひどかった。
私が履いてるハイヒールの底を舐め始めたのだ。
悪党がよくやらせているのを見て
人より偉い事を実感できて気持ちよさそうだなぁ……
と、思っていたけど
なんで、みんな
こんな事を平然とさせているの!
下を見ると
シーセさんが、額に汗をかいてるのがわかる
もりもりと私への恨みが積みあがっていってる感じがする!
気持ち悪さに思わず身震いすると
隣で、シーセの母親(人妻!)に、靴を舐めさせていたお父さまが
「むっ、このもの
何かそそうでもしたな? 衛兵」
と、近くの兵士さんを呼びだして
ムチで叩かせ始めた
「ひぃ」
そうだ。
今は悪役令嬢
私は、悪党なんだ
でも、これは
えーっと、えーっと考えろ
考えるんだ、エリザベート
エリザベートならどうする
ああっ、考えている時間がない
考えてる間にムチが、ムチがふるわれるっ。
……そうだ!
「違いますわ、お父さま。
このもの、せっかくの美貌なのに
うつむいたら、期待外れだっただけです。
立っている時は、こんなに整っているんですもの
叩くのはやめてあげて?」
どうだ?
弱いか? いい訳過ぎる?
「なるほど
そう言われてみれば、この女も
舐め方に品がない
おじぎ一つ出来ないとはなっ」
そう言って、お父さまはシーセのお母さまを蹴飛ばした。
「まぁまぁ、お父さま。
こんなにたくさんいらっしゃるんですもの
この中から、良いモノを選びましょう?
外れに、かまっている時間がもったいないですわ」
そうして、なんとかこの場はなだめられた。
最期にシーセさんが
こちらをすごくにらんでいたような気がする……
そりゃ、そうだよね。
でも、
「ありがとう」
って、聞こえた気がはしたのはなんでだろう?
気を取り直して
イケメンを並ばせようとするお父さまを止める
「さきほどの事を繰り返すのは時間の無駄です。
まずは、立ち居振る舞いを見てから
ひれ伏させるのを見る事にしますわ」
弱いかな?
と、一瞬の沈黙で思ったが
「なるほど、なるほど
今日のお前は、いつもよりやる気だな」
「ほほほ
せっかくの発表会ですもの。
取り逃した
なんて、後悔はいたしませんことよ」
と、お父さまへの
いい訳も完璧
完璧だったと思う
とりあえず、納得はしてくれたので
そこらを歩き回る
まぁ、注目を集める事、集める事
そりゃ、本日の主役だし
自分が人質になるかどうかの瀬戸際だもんね。
そのわりに、皆さんこっちをちゃんと見てくるのはなんでだろ?
うーん
公爵家の令嬢との繋がりかな?
シーセさんも、勉強と言ってたし
人質以上のメリットがあるんでしょうね。
……こんな女の側にいるデメリットのほうが大きいと思わないのかな?
自分でいってて、悲しくなる。
切り替えて
目の保養、目の保養。
異世界だからか
お貴族様は
みなさん、美形ね。
基本的に前世で言う白人のイメージがあったけど
いるわ、いるわ
金髪・碧眼とテンプレから
褐色肌のウェーブヘヤーに
前世でのアイドルみたいな赤毛(そめてる?)の美少年まで
えへへ
これが、より取り見取り
朝から晩まで……
いや、お父さまの口調だと
寝室に連れ込んだって良いとか!
18歳万歳!
どぉれに、しよっかなー?
シーセさんは、金髪・碧眼だったし
こんどは、こっちの褐色の
君に決めた!
「もし」
そう、声をかけると
一瞬で膝をついて手を取られた
「はい。
声をおかけくださって光栄です」
うお、めっちゃイケボ。
まずい、前世のASMRが甦る美声だ。
深呼吸して
「お名前をお聞かせくださる?」
「はい、私は
シュテーム家の次男
アポッテの子
カカールワと申します」
もうこの子に決めたい
それくらい良い、良いぞ
これをつねに、持ち歩けるとか
悪役令嬢最高
なんて、興奮していたら……
「公爵さまには、
当家に、格別のご恩をたまわり
これからも、長らく誼を通じるべく」
一瞬で冷めた
そりゃ、そうだよね。
お父さまがいないと私なんて興味もないよね。
いいもん、いいもーん。
それでも、あなたは、私のもんだもーん。
そうと、決めたら
「あなた、なかなか優秀そうね。
お父さまに挨拶にいってらっしゃい。
この意味はわかりますよね?」
「は、はい。
ありがとうございます」
よし、イケメン1人ゲット!
……1人で良い気もするけど……
コレクションできるのなら
ここに居る人種?
みたいな区分けを一人ずつ持って帰えろう
ここが家だけど♪(笑)
1人ゲットして
ほくほくだった所を声をかけられた。
おんや?
今日は、私より上はお父さましかいないから
私に声をかけられる人はいないはずだけど
と、思ったら
「イイールワ・ラ・バル!」
私は思わず指差した
同じ公爵令嬢の
「アルベリールですわ!
家名で呼ぶだなんて、はしたない」
そう指を刺し返された。
はしたないのは、お互い様だと思う
しかし……
こいつ、顔が良いな
サラサラの髪だし
おっぱい大きいし
腰は、くびれてるし
お尻は、ほんのり大きい。
こんな美女が従兄弟とか
私もこんな風に見えてるんだろうか?
見えてないだろうなあ、
エリザベートって、暴飲暴食している女だし
「まずは、お誕生日おめでとうございます」
「あ、はい。
ありがとうございます」
ちゃんとおじぎをされたのでおじぎで返す
めっちゃ驚かれた。
「あ」
「あ?」
「あのエリザベートさんが挨拶を?!
どんな修正教育をされたのですか?
それとも、そんなにも貴族の子弟が欲しかったんですの?!」
凄い勘違いをされた。
が
これは好都合なのでは?
「ふふっ
そうなんですのよ。
アルベリール
よろしければ、あなたも一緒に選ばない?
人数が多くてめんどくさくなっちゃって」
「安心しましたわ……
ちゃんとエリザベートさんですわね」
今度はじとめで見られる。
けど
これで、情報源ゲット!
たしか、こいつはかしこい(と、元のエリザベートは思ってた)はず。
もう1人か2人くらいみつくろうぞ!
「選ぶのはよろしいけど、私がとっちゃうかも知れませんわよ?」
ふふんと、偉そうに胸を張る
うーむ
正直、アルベリールが欲しい
ドレスの下もこのまま美人なのか気になるぞ。
そこから、
アルベリールと広間内を歩き回る。
「あっちの、男爵。
顔は良いですけど、やめておいたほうがよろしいですわ」
と、解説が入るのが良いね。
こいつ、人の事は言えない真面目さを感じる。
「理由を聞いても?」
「あなたの好みも、ああいう顔ですの?
見てもわからない所ではありますが
女癖が悪いそうですわ」
「それだけ?」
「それだけって、あちこち遊び歩いてる男性ですのよ?
病気が移ったら大変ですわ。
従兄弟の私まで移されたらかなわないので忠告しておきます」
女遊びしているから病気とか
こいつ大人だ。
たしか、一個上だったはずなのに大人だ。
イケメンを飼う
と、言う事の意味を大人にしている。大人だ。
「聞いていますの? エリザベートさん」
と、うるさいくらいに大人だ。
「はーい。
あとでめんどうなんて嫌だもんね。
それじゃ、アルベリールのおすすめは?」
「あなた……私が変な物を選ぶとは思わなくって?」
「ゆー、隣の公爵家。
何かあったら、そっちに飛び火するかもよ?」
「エリザベートさんがかしこい……
教育ではなく、これは別人なのでは?」
やっべ、やりすぎた?
「さっき、自分で移るっていってなかった?」
「ああ、そういう事ですの
個人の病気と家は違うのですけど……まぁ、この場合は同じ意味ですわね。
たしかに」
ごまかせたー。
情報源ゲットして良かったと思ったけど
歩いての疲れるな……
運動なんてろくにしてないから当然か
「もう疲れたー
帰ろう」
「あなた! なぜ私をつれまわしたの?!」
「1人じゃダメかなぁ」
「ダメと言う事はないでしょうけど……
叔父様のために、もう一人くらい選んでおきなさいな」
もう一人かぁ……
褐色のイケメン(名前忘れた)は大人だった(背が高い)から
あれで良いか
「アルベリール。
あの子は?」
「あんなちんくしゃ……
失礼、背の低い方がよろしいの?
殿方はたくましい方がよろしいと思いますけど……
まぁ、私ではなくあなたの趣味ですものね。
たしか、クボツラ伯爵の所の子ですわ。
私の記憶では問題はなかったと思いますわよ?」
「じゃ、あれにするー」
「本当に、疲れたんですわね……」
その後
クボツラ伯爵の子は
うちの衛兵さんによってお父さまの所に連れていかれた。
涙目の低身長美少年
あたらしい、趣味が出来そうで危なかった。
そうして
「やっと一日が終わった……」
ベッドで横になりながら
転生したこの体
エリザベートを触りまくる。
転生は18年前にしてたけど
思い出したのは今日。
疲れたし、眠ろう……
そうして目が覚めた。
が
外は真っ暗
下手に起きると、
メイドさんがお世話に来ちゃう
はず
寝ずの登板を呼び出していた記憶がある。
むぅ
眠くなくなっちゃったけど……
寝るか
寝ないと迷惑がかかる……
うーん
早めに寝たから眠くないよぉ
仕方ない
イケメンの事を考えるか
説明されてたかも知れないけど
あそこにいたのは全員同じ年
つまり18歳だったって事
そりゃ、そうか
私と、あわよくば
にゃんにゃん(全年齢表現)させて家を強く……
侯爵家の血を入れての政治力の強化が狙い
と、思う。
私には、それくらいしかメリットが思いうかばないけど……
それは考えてもわからないから良いや
それはそれとして、ゲットしたイケメン
まず、カカールワさん
男爵家なんだったかな?
シュテーム家って言う、良くも悪くも普通の男爵家の子
次男の子だから人質以外の利用価値なし
って、アルベールに言われた
にゃんにゃん(全年齢表現)して跡継ぎが出来ても
取り上げられることはないそうだ。
いらないなら、シュテーム家に帰せば良い
うん、さすがアルベール大人だ。
次に
クボツラ伯爵の子
ニアスくん
ジーさん? とかのお子さん
ニアスくんって言ったけど
18歳って事は誕生日の差で私よりお兄ちゃんだね。
お家が大変なので
私の靴を喜んで舐めるはずだと言っていた
アルベール、お前もか
お前も靴を舐めさせるのか
そして、どうやらクボツラ伯爵がもてあますほどのお子さんなんだとか
もてあますってなんぞや?
そのあたりも、明日
いや、もう今日かな?
あってからになりそう
うん
イケメンの事考えていたら興奮してきた。
これは、妄想がはかどる
まずは二人を親友にして
いちゃいちゃしてるのを見ると言うのが目標だな。
それには
悪役令嬢
つまり、何時ものエルザぺートして
2人が私の対処方法の相談
若い男性が、若い女性の対処方法を相談
親密になっていき
遠い、公爵家に二人っきり
これは、何も起きないはずがない
楽しみになってきたぞー!
どうでも良さそうな小ネタ
名目地真子(なめじ・まこ)=まじめなこ
ウサン・イサーク=うさんくさい
カイン・ダリリ=代理管理
シーセ・ミーメ=みせしめ
カカールワ=かかわる
イイールワ・ラ・バル=わるいライバル
クボツラ=ボツラク
ジーの子ニアスくん=ジーニアス
それぞれアナグラム
カカールワ = 「シュテーム家の次男、アポッテの子」
シュテーム→告白のジュテームから
アポッテ→あほ+ポッケット
と、組み合わせて、カカールワ
愛をつめたポケットがかかわると言う事で、ロマンスの相手(候補)です
クボツラ家のジーの長男ニアスくん=なので
作中の言い方だと
クボツラ家、当主ジーの長男ニアス
と、なります。
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