ホラーゲーム開発部に取材しに行ったら本物だったんですけど
ジャージ
いきなり心折れそう
「はぁ…緊張するなぁ」
校舎の一角にある扉の前に佇み本日何回目かは忘れた“人”の字を手のひらに書き込み飲み込んだ。
もう3桁は超えるのだろうか、こんなに飲まれたんじゃ人達もたまったもんじゃない。
しかしそうしなきゃいけない事情がある。
簡単に言えば彼…山田タケシは緊張しているのである。
これからすることに対して、山田は己の腕についている腕章をギュッと握りしめる新聞部に所属している証であり山田のお守りだ。
しかし今回はその新聞部がある意味自分を追い詰めているのだが
「ホラーゲーム開発部…」
今回取材することになった部活の名前を呟き、胸ポケットにしまってあったメモ用の手帳を取り出す。
取材するにあたって相手のことを知っておかなければ失礼だからだ。何回もめくってめくって慣れ尽くした手でページを開く
ホラーゲーム開発部
部長兼シナリオライターの
“如月玲司(きさらぎれいじ)”
イラストレーターの
“安倍セイカ(あべせいか)”
プログラマーの
“鮫島凌牙(さめしまりょうが)”
以上の3名で構成されている部活だ。部活の内容としてはゲーム開発部、主にホラーゲームを中心とした。
さらに学園側に許可を取っているため実際にゲームの販売もしている。
そして彼が緊張している理由は、この部活がとんでもないからだ。
曰くたった3人だけなのに1ヶ月だけで2桁もゲームを発売する
曰くシナリオやゲームシステムも毎回違いあきが来ない
曰く出せば大ヒット間違いなしと言われている
などなど、噂の部類もあるが大方あっているであろう偉業の数々…だから緊張しているのだ。
相手に失礼があったら…と思うと不安で不安で仕方がない。首にかけているカメラも心なしかずっしりと重く感じる
「…よし。失礼します」
しかしそれでも彼は止まらない、例えただの数合わせだとしても自分のことを信頼してくれた部長達の顔に泥を塗らないために、彼は扉を開けた。
「はぁ!?何言ってんすかぁ!そんな訳ないっすよねぇ!」
『そっちこそ正気とは思えねぇな、なに食って物見てきたらんな事言えんだ?』
「あーそういう事言っちゃうんすか?それなら行きましょうか?屋上にでも?」
『テメェと2人きりで屋上ぉ?なんの罰ゲームだよ。1人で行け』
「あ゛ぁ?」『あ゛ぁ?』
「はぁ…落ち着け2人とも、そろそろ取材のじか…あ」
目があった。扉を閉めた。立て付けがよくスムーズに閉まった
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