星の子 〜護るとは、一緒にいたいと願うこと〜

猫様のしもべ

物語0.プロローグ

「神の子よ、親が『善』だとでも思ったか?」


神々は完璧を求めた。

この星を・・・「護る」ために。

崩れぬ秩序、変えられぬ運命さだめ、守るべき使命。


彼らは「善」であり「悪」を許さない。

「善」たる神々を裏切る者も、また「悪」である。


「星の子」は「善」でなくてはならない。

未来の秩序であり、揺るがぬ信仰の象徴。

永きにわたり、星を眺め、準備を整えてきた。

全ては、計画通りに進むーーそのはずだった。


だが者どもは、神の予想を打ち破った。

感情などというものに左右される者は、いとも容易く「悪」へと転じる。

使命を忘れ、己の意思を優先し、やがて秩序を蝕む。


かつて、選ばれた者がいた。

その者には、力も、知識も、忠誠もあった。

だが「悪」となった時、その価値は消える。

それが正しさだ。それが正義だ。


けれど奴は、彼らを裏切るだけにとどまらなかった。

「星の子」を奪い、神への忠誠を誓っている者すら、裏切らせた。


多くを失った神々だが、決して、忘れてはならない。

力のため、正義のため、未来のため・・・例え感情を捨てることでも、厭わずに。

家族など、どんな情を抱こうと、無駄なのだ。

そんなものは、守護者たる者を、弱らせる。


星の輝きは永遠であり、神はそれを「護る」者。

家族などというものに、揺さぶられてはならない。


・・・だが、もし家族が「必要」だと言えたならーーそれはどのような力になるのだろうか。

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