sp.

 sp株とはなんぞや。

 何となくスペシャルな感じがする。

 因みにiPhoneでspと打ち込むとなぜかロリータコンプレックスと変換される。何故かは知らない。

 要人警護の人ではない。

 私が知る限り、多肉植物の世界ではジェーン・ドゥ、つまり正体不明を表す記号なのだ。


多肉植物 「◯◯sp.」


「日本から来ました。ドジャースの大谷選手と、そのお子さんです。」

「日本人っぽいその辺にいた誰かさんと、さっき捕まえた野良犬です。」

世間はどちらを歓迎したいだろうか。

初対面で何十億ドルも年俸を出せるだろうか。

つまりそういう事だ。


もちろん誰かさんも素晴らしい人物である可能性はある。

でも、どこから来た誰なのか、親はどんな人なのか、実際に日本人なのかもわからない。


 多肉植物では、特にエケベリアに多いと感じる。

 実はこれ、多肉植物を生業にしている人やコレクターには大問題らしい。

 適切な環境を探すのが難しいし、交配した時の事がわからない。

 sp株の一族は末代までsp株もしくはハイブリッドと呼ばれる名無し一族になってしまう。


 だが、私はただの趣味人なので、特に問題は感じない。

 実際に見た目の美しさに反して、大変安価なので、寄せ植えなどで大変お世話になっている。

「超美人さん!なんでこんな安いの??」

 値札をみると大抵品種名がない。それが彼らsp株だ。

 名無しだからと、買われなかったら廃棄されるのだ。

 親の顔を知らなくても、好みに合えば良い。

 そんな彼らを連れ帰り、彼らの良さを発見してやるのも、末端のタニラーの役目である。

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