魔物たちの悪夢

「『断絶剣』…っ"!」


一人目…


「消えよ」


流石は神獣、一切動かずに相手を燃やし殺してる。

さて…流石にそろそろだね。


「リファリス…っ"…流石にそろそろちょっと真面目に殺す?馬車に被害が出そうだし」

「そうじゃの。馬車に被害が出てもいかぬしの」

「じゃ…行こうか…っ"…『雷憑ライトニングエンチャント』っ"…!」

「ふむ…ならば我は『風憑ウインドエンチャント』」


こんな事になった事の発端は5時間前…


――――――――――――――


さて…ようやく森を出れたし…遠く離れた街道を目指さないと…


「リファリス、どうかしたの?」

「……魔物の匂いがするのう」

「別に放置したらいいでしょ?」

「しかしの…どうやら人間と戦っておるようじゃの?しかし…血の匂いからして…人間が不利な状況のようじゃの」

「……なら、都市に入る際に、すんなり入れるように、便宜を図ってもらうために、人助けと行きますか」

「そうじゃの、我らは、確実に怪しまれるしのう…」

「ま、そうゆうことよ。で方角は?」

「………ここから2キロ先の南南東…といったとこかの?まぁ我が先に行く故、それについてくるがよい」

「わかったわ、リファリス」

「うむ、行くぞ」


……さて…魔物は…一体何かな?




「見えてきたの、あれが例の人間共じゃの」

「じゃ、行きましょうか。一応、リファリスの名前は伏せて、リファリスの名前は予定通り以後、リルアでお願いね」

「うむ。承知した」


襲われてるのは…やっぱり馬車だよね〜

ま、歩いてたことろを襲われるなら、少なくとも冒険者だろうから、そんなに複数いるってことはないだろうし、予想はしてたけど…

馬車だと、護衛するのが面倒…

目立つから盗賊も警戒しないといけないし…

ま……やりますか


「…魔物は、ただのハイオーク…かな?」

「じゃの、プリースト回復役メイジ魔法使いもいないようじゃしの」

「楽でいいわね。じゃ、行くよ」

「うむ」


馬車の方向に向かって、高く跳んで……!


「剣技『衝撃斬インパクトエッジ』」

「なっ?!何が起こった?!」


なにか言ってるけど無視して…

とりあえず5体『衝撃斬インパクトエッジ』で仕留めた…次は…


「我もやるとするかの『魔光線マジックレイ』」


リファリスが『魔光線マジックレイ』でハイオークを6体一撃で撃ち殺して、ハイオークは残り9体…

…もう終わるね


「…ふぅ…っ"…ぅ…!『身体加速アクセラレーション』…っ"!」

「ならば我はこれで行くかの『炎光線フレイムレイ』」


私が突っ込むことをわかって、私を邪魔しない『炎光線』を使ってくれるんだ

ありがと、リファリス

…リファリスが2体撃ち殺したから…

残りは7……

さて…一気にハイオークに近づいて…そのまま左上に斬り上げて首を飛ばして

そのままこのハイオークの死体を踏み台にして、右前のハイオーク2匹の首を斬り落としてと…

頭を踏みつけて、跳躍して…

左のハイオークの首を斬り落として、そのまま、前の2体はリファリスが殺すから無視して、逃げようとしてる1体を…


「逃げれるわけないでしょ?死になさい」


上半身を斜めに斬り落として殺してと…

ふぅ……これでよし


「リルア終わったよ。援護ありがと」

「うむ、当然じゃ。」


さて……馬車に乗ってる人たちと、護衛の人たちに挨拶と行きますか…

……やっぱり警戒されてるよね

ま…そりゃそうだよね

突然、二人組の少女がハイオーク20体をテンポよく殺したからね〜

警戒するよね〜そりゃ

さて……護衛の人たちは…バスターソードを持ってて、全身を覆うアーマーを着た、体格のいい青髪の男の人が…護衛の人たちのリーダーかな?

他の護衛の人達は…

魔法使いの女の人と、短剣ショートソード円盾ラウンドシールドを持ってる男の人と…ショーテル曲剣と小盾を持ってる男の人…槍使いの女の人の5人かな?


「そう警戒しないで大丈夫ですよ」

「……君は一体何者なんだ?」


お、リーダーらしき人が前に出てきた。


「…ちょっと貴方方がハイオークと戦闘していて押され気味でしたから、少々残りのハイオークを全滅させただけのただのお節介ですよ」

「ただのお節介…か……」

「えぇ」

「…名乗っていなかったな、俺は、このパーティ【蒼の剣】リーダーを務めている、Cランク冒険者ハーヴェストだ」

「私の名はリーアと申します」

「……冒険者…ではないのか?」

「えぇ、冒険者登録していませんよ」


今はまだ


「…騎士などでは…」

「ないですね」


そもそも国の下に付く気はないし


「…なるほど。ところで…その左腕は…」

「…私の体を獣人の血が流れている影響…のようなものです」

「……なるほど…?」

「まぁ出来れば詮索しないでくれたらありがたいです」

「…わかった。ところで、君はこれからどうするつもりだ?」

「…その、恥ずかしながら、身分証がなくて…この左腕もあってこの先の都市に入ることが難しく……できれば、貴方方に同行させてもらいたいのですが…」

「……ふむ…。少々、依頼主と相談してくる」

「わかりました」


さて…これでどうなるか…


ん?なんか槍使いのコーラルピンク薄い赤色の短髪の女の人が近づいてきたけど…?なにかあるのかな…?


「……ね、ねぇ、リーア…さんだっけ?」

「はい、どうかしました?」

「そ…その……モフモフの……ひ、左腕を…触ってみてもいいですか…?」



「………え?」

「こ、こらタリア!」

「こんなにも、もふもふな腕を触ってみたいだけなのー!」


えぇ…?

確かに今の私の腕は、獣毛に覆われてるけど…


(ねぇリファリス、これ触られても大丈夫かな?)

(うむ…おそらく大丈夫だとは思うが…どうするかはお主の好きにしたらよかろう)

(ありがと、リファリス)


とりあえず念話でリファリスに聞いてみた感じは触られてもたぶん大丈夫…みたいだし…


「触ってもいいですよ」

「いいんですか!?」

「…うちのタリアが迷惑かけてすみません」

「いえ、別にいいですよ」


たぶんなんともない…はずだし


「じゃ、じゃあ触らせてもらいますね」

「えぇ、どうぞ」


……なんだか手つきが怖いけど


「ご、ゴクリ…」

もふっ

「お…おぉ…!これはよいモフモフ…!」

「よいモフモフってなに…?」

「さぁ……」

「モフモフするのが止まらない…!」


…なんだかこの左腕を撫でられてると気持ちいい…


「〜♪」

「モフモフされてると気持ちいいの?」

「眠くなってくるような感じの気持ちよさがあって………」


あ、やば……眠気が…………

流石に寝るわけにはいかな



――――――――――――――――――――

ん…んん………

誰かに撫でられてる……?

気持ちいい……………

……眠い…


「…リーアさん?起きました?」

「…………わふぅ……?」

「……リーアさん?」

「…あっ……………私…寝てました?」


槍使いの女の人に膝枕されてた…


「……はい」

「………ご迷惑かけてすみません」

「いえいえ、こちらもタリアの我儘わがままを聞いてもらいましたから」

「……ありがとうございます…えっと…」

「あ、名乗っていませんでしたね。冒険者パーティ【蒼の剣】に所属しています。サフィネアと言います。よろしくお願いしますね」 

「こちらこそよろしくお願いします。サフィネアさん」

「えぇ」


…サフィネアさんは…アザーブルー明るい青色の長髪にセレストブルーの細かい装飾を施した真っ白のローブなんだね


「…どうかしました?」

「いえ……とても綺麗な髪色で見惚れてて…」

「ふふっ。そう言ってくれると嬉しいです。」

「そういえば、ここはどこなのですか?」


テントの中みたいだけど…


「ここは戦闘したところから移動したところに設営したテントの中ですね」

「……どれくらい寝ていました?」

「……3時間ほど」

「本当にすみません…」

「気にしなくても大丈夫ですよ」

「…そういえば同行する件は…」

「それに関しては」

「俺が説明しよう」


ハーヴェストさん…だっけ


「結論から言うと、君たちには私達と同行してもらうことになった」

「何か条件や禁止事項はありますか?」

「条件としては…共に馬車の護衛をしてもらうことと……馬車に乗っている依頼主が話がしたいようでな、依頼主と話しをして欲しい…くらいだな。」

「なるほど…」


かなり緩い条件…

依頼主の話しが気懸かりだけど…

気にしても仕方ない


「禁止事項は…特にはないな。

強いて言うなら裏切ったり、迂闊に魔物や盗賊に喧嘩を売らないでほしいくらいか?」

「…ありがとうございます。これから暫くよろしくお願いします」

「こちらこそよろしく頼む」


交渉成立…と


「…では、その依頼主の方と早速お話をしたいのですが…今はどこに?」

「そうだな、案内しよう」


さて…依頼主は一体どんな人なのかな?








――――――――――――――――――――

解説〜


リーアの口調が5話から何かに定まっていないような感じで、口調が変わり続けているのですが、

その理由は、リーアの脳にリーア自身が掛けた永続強化が影響しています。

永続強化の影響で、リーアは神獣のエネルギーに含まれている多すぎるデータ量を処理でき、神獣の脳に近いものへ変わっていこうとしていますが

同時に、脳が永続強化の影響で脳に一種の『ラグ』が発生してしまい、口調などの細かな部分に支障が出ています。

それが口調の不安定化

口調が一つに定まらず、リーア本人には違和感がありませんが、口調が変化し続け、明らかに変な事になっています。

強いて言えばある種の後天的な脳障害…のようなものでしょうか

まぁ、これに関しては脳が永続強化に適応していけば解決するので、時間が経てばそのうち解消されます。


また、これまで出てきた、剣技、魔法などは後々解説します。


ちなみに、リーアが苦しむのはあくまで神獣の力を使う事によるものなので

神獣の力を直接使うわけではない(常時発動されている方の身体強化で威力が上がったりするだけ)剣技は、神獣の力を併用して使わない限りはリーアは苦しみません。

しかし『断絶剣』のようなものは神獣由来の剣技であり、神獣の力を使うため、リーアは苦しんでしまいます。


まぁなので出来ればリーアも普通の剣技や格闘だけで戦いたいところですが、

今回のような、【何かを守るために戦う】際は、守る対象に被害を及ばせないために、魔法や神獣由来の剣技を使っています。

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神の心臓を植えられた少女 狐水 @foris378

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