Heaven Game
アルティメット久住
プロローグ
※空白・改行を多用しているので横のアンダーバーが長いと思いますが、文字量はいうて少ないのでご了承を。
では本編どぞ↓
——————————————————————-
「――死にたい」
(+100p)
啓蟄の夜道、ひとり咄嗟に出た言葉が――これだった。
♪ ――レベルアップ!
魔力値上昇↑
特性――「
「なんだ……幻聴か?」
* *
俺は――
年齢18、性別おとこ。
年の近い母親がいる
DQNでヤリ〇ンの父親は、俺が中学2年生くらいの頃、ボンキュッボンな女を隣に連れて消息を絶った。
ギャンブルで負けまくった借金を置き土産に、トンズラこいて離婚しやがった。
が、父親のDVをこれ以上受けなくて済むのだと思うと、どうにも気持ちが楽だった。
なんせできちゃった婚だから、夫婦喧嘩で皿が割れたりすんのは日常茶飯事だったからな、それがもう無くなるとなればうれしかった。
(生活は死ぬほど苦しくなったが……)
あれからウチは、シングルマザー、田舎暮らし、貧乏のまさに現代社会の「闇」を体現したような家庭になった。
度重なる物価の高騰で、より生活が圧迫されるのを感じた。
(エ◯本ですら高い)
だから母は、朝早くから夜遅くまでパート漬けが日課。
まともな職に就けるほどの頭も無いので、とにかく安い賃金を量でカバーする働きぶりは、俺の胸を締め付けた。
(なんせ社会の最底辺だ、給料は低いし超ブラック労働がオキマリなんだぜ)
俺もアルバイトでちょっとでも生活の足しになればと頑張ったんだがな……。
それでも月5万が限度だった。
だから俺は、せめて学校生活くらいは
良い成績を取って、部活でも県に名前が載るくらいの活躍をして、彼女だって5人は作ってモテまくるつもりだった。
そうであって欲しかった。
が、そんな
――俺は、両親からの
クラスメイトからは「ラインナップ殿下」と馬鹿にされ、毎日登校して教室に入る時にはインザインザと
(派手な名前のわりに俺は陰キャだったからな……)
次第にイジメがエスカレートすると、暴力や教科書をびっりびりに破かれるのが当たり前になり、ついには昇降口の掲示板に俺の
(俺の穴という穴にブッサブッサいかれてた……当然、俺のチ
俺がニートになってから2年が経った。
高1の終わり頃から引きこもってるから、ざっとそんくらい。
ちょうどその時、――俺に初めての兄弟ができた。
再婚相手の娘。
ひとつ下の妹だ。
(これがまた顔が美人でな)
JKらしいボブヘアと細身な体型で、でもいつも冷めきった目をしていた。
それもそのはず、相手の父親はバツ5のクズ男だった。
(妹の体は、俺と同じくらいアザだらけだった……無感情なのも納得がいく)
が、バツ5の父は、金だけはあった。
どっから湧いて出てくるのか分からないが、金持ちだったんだ。
出会いは母の夜職。
常連客だったらしい。
おかげで生活は幾分マシになった。
両親は家にいないことが多かったので、その分俺が妹の面倒をよく見てやった。
得意だった料理を振舞ったり、スマ〇ラに誘ったりしたこともあった。
が、妹は自室にこもったっきり出てこない。
オムライスも半分以上は残された。
でもまぁ仕方ないことだ。
そう落ち込むこともない、妹の立場になってみればきっと俺もそうするからな。
だからちょっとずつでいいんだ。
妹が心を開くまで、ゆっくり妹のペースに合わせる。
もっとも、俺は大学受験の大詰めを迎えていたので、それよりも勉強の方も忙しかったんだがな。
そしてある夜。
ついにやってきた。
待望のイベント、親交フラグ。
――妹が俺の部屋にやってきた。
要件はどうやら、いろいろ思い出しちゃったらしく眠れないらしい。
とのこと。
俺は思わずガッツポーズだ。
女経験の少ない俺にとっては、「女」というだけで興奮の対象であり、「女」というだけで好きになっちゃうのだ。
それが可愛いともあれば余計に緊張した。
正直意識しちゃうくらいには、だったし、この展開自体もアニメでしか見たことなかったから手汗ギットギトだった。
そして、ベッドにイン。
狭いベッドだったが、妹の心を埋めるには十分すぎるスペースだったらしい。
(この時点で、高3の俺と高2の妹がギュウギュウになりながら寝そべってる)
が、
妹の安心した寝顔が俺の目に映ってしまった。
思春期まっしぐらの俺、大打撃。
(正直、寝込みを襲うこともできた。 が、そんな寝顔見せられたらレ◯プとか出来るはずもなかった……)
普段不愛想で懐かない妹が、マクラ抱きしめながら俺に精一杯打ち明けて、頼ってくれたんだ。
無愛想らしくそっぽを向きながらボソボソと。
俺は、そっと布団を肩まで上げて、妹と反対側を向いて眠りについた……。
(悔しいが我慢だ……俺が妹の唯一の理解者になってあげないとダメなんだ)
隣の愛部屋からは、今日もアンアン、ギシギシと音が聞こえる。
これに慣れて寝つけてしまうほど、俺たちは複雑な環境で育ったんだな……。
(まったく……)
後日――。
母の妊娠が発覚した。
そっか。
父は避妊をしなかったのか……。
もう1月中旬。
受験勉強で忙しかった俺は、母のいる病院へ中々顔を出せなかった。
そして合格発表の時。
俺は第1志望の大学に――「
レベルは平均より低めの大学だったが、それでも俺の努力は報われなかった。
まぁ、そうだよな。
そんなもん、だよな。
もともと出来の悪い俺が、ちょっとやそっと頑張ったところで他の受験生に勝てるわけなかった……。
俺は妙に納得してしまった。
俺なりに頑張ったけどな。
ダメだったのなら、それはきっとダメだったんだ。
(……言葉にできない、俺は現実を強く知った……)
俺が、その旨を病院にいる母へ伝えようとした時だった。
どうやら母の様態が悪化したらしい。
緊急のことだった。
現代の医療では、出産による
(特に日本なんかは、先進国の中でもトップクラスに低い水準だった)
――
本来子宮内にある羊水が、何らかのきっかけで母体の血管内に流入する病態だ。
――母は助からなかった。
体から色が抜けていくような喪失感に襲われた。
立て続けにつづいた不幸。
俺は心を整理する時間もなく。
俺、こういうの慣れてるはずなのにな……。
……なんか、涙が止まらない………………………………。
やがて葬式が終わり、父は妹を連れてどっかに行った。
――俺を残して、家を出てった。
(当たり前のように、目も合わせず、悼む言葉もなしに、遠のいていく背中)
……、ぇ。
あ、あぁでもそうだよな。
なに勘違いしてんだ俺。
母がいなくなったんだから、俺を養う意味なんてこれっぽっちもねぇもんな。
俺は自分を納得させる理由がほしかった。
ま、まぁでもめっちゃフツーの感覚だ。
俺の人生そんなんばっかだったし。
(せめて妹くらいは……泣いたりとか、してくれるかと思ったんだがな……)
振り返っても、俺の人生「
いつからだろ。
道を踏み外したの。
決まって誰かのお荷物で邪魔者扱い。
いるだけで害悪。
なんで。
俺のなにがお前らの気に触ったんだ?
暗い性格か? イケすかない顔か?
俺悪いことなんかしたかよ……。
でもそれが、俺だ。
俺という人間。
ゴクフツウの人生。
きっとそうなんだ……、。
それが――あたりまえの人生なんだよ……、な?
葬式が終わり、俺は滑り止めの大学が始まるまでの間、昔から仲のイイ幼馴染の家に住まわせてもらうこととなった。
(ざっと2か月間くらい)
(緊急のことだったが、一人じゃ生活できないし、頼るアタもないので仕方なかったんだ)
そして幼馴染は体こそキュッキュッキュッだったものの、顔は可愛く、俺の知る限りでは幼小中とそれなりにモテてた。
(幼稚園からの腐れ縁ってやつだな……高校は違うところだったけど)
実際風のウワサじゃ、高校でも成績良くて、バレー部ではスタメン起用されるくらいには運動神経も抜群だったから、まぁ流石にこれはモテるだろうなと。
(家も近いうえ、幼馴染には美人な姉がいたので、俺はこれまたウッキウキしてた)
基本的に俺は、元々空き部屋だったところに
が、ある日。
――事件は起きた。
どうやら深夜、お隣の幼馴染のお部屋からいかがわしい声がするではないか。
アンアンと。
聞き慣れてるはずの喘ぎ声が、どうも俺の興味を引き立てる。
(母と違ったタイプのこらえる感じ――)
俺はこういう事をするタチじゃなかったが、無意識のうちにズボンを下ろし、壁にすっと耳を近づけていた。
(あーはいはい、なるほど)
どうやら幼馴染は、彼氏とエ〇イプの最中だったようだ。
要するに通話。
俺は受験ですっかり忘れていたGの行為が再発してしまった。
(正直、ツラい過去を慰める方法がこれしか知らなかった……)
そして、ゴン!
(やっべ……まずい)
運動が捗り過ぎてしまい、立ちながら俺のガトリングがピストルしてしまって、よりにもよって俺のマシンガンピストンがボウ発してしまったことにより壁ドンをしてしまと、幼馴染の声がピタリと止んだ。
(……き、気づかれたか?)
ガチャリと扉の開く音がした。
そこからというもの、俺は記憶がほとんどない。
ストレスの矛先を幼馴染に向けてしまった。
性欲を抑えれなかった。
10ラウンドにも及ぶ
家を追い出される前に、姉の方とも何回か致してたことが見事にバレ、俺の立場は完全になくなった……。
これじゃ父と何も変わらない……。
両親も、俺の名前を決めたときはきっとこんな感じだったのかなとか思った。
俺は頭が真っ白だった。
* *
俺は取り返しのつかないことへの後悔に埋もれて、
咄嗟に言葉が出てしまった。
「――死にたい」
(+100p)
♪
――レベルアップ!
Lv.96↑
魔力値上昇↑
特性――「
「なんだ……幻聴か?」
俺は、なんかテレビの女性アナウンサーみたいな声が聞こえるくらいの後悔に――見舞われていた。
やっぱ頭までおかしくなったらしい。
まだ3月で、外は十分寒かった。
吐く息がしろい。
目の前のうすぐらい街灯がちかちか消えそうになったり、一瞬めっちゃ光ったりしてる。
俺はそれに誘われて、ガードレールを越えた。
普段車もあんま通らないところだ。
獣注意の標識がある。
ゴクリ。
俺だって生まれた瞬間からクズだった訳じゃない、
山に囲まれたド田舎で生まれて、
むしろ小学校じゃ変顔しまくって人気者だった、
面白い俺、運動のデキる俺、足がはやい俺、ドッヂボールが強い俺、ゲームもガチってたから、誰とでもと仲良くなれる俺、それなりに
(+400p)
が、中学に入れば、一気に人の数も倍になって、俺も余裕で埋もれて陰キャの仲間入り、がんばって目立とうとしたけど、今度はそこで人気者だった奴にイジメられて……、気に入らないからという理由でハブられて……、
人とかかわるのが面倒になってて、疲れるし、一人でいる方が気が楽になった、
でもまぁなんとか乗り越えて卒業、(卒アルは誰にも落書きしてもらえなかったが)
(+300p)
流れるように入学した地元の偏差値40台の高校、
せっかく中学の奴らから離れるために少し離れたところに態々通ったのに、
イジメられて不登校になり、
(+300p)
このままじゃダメって分かっていながらも、自分に甘えて、また中学のときみたいに無理して行くこともできたけど、なんか疲れちゃって、
でも俺、やればデキるとか思ってて、
(+200p)
だから勉強も二の次にしたし、
課題なんて答えを写して終了、テスト前だけ徹夜して、
授業中はエ〇チな妄想しまくって、勉強なんかやんなくても将来余裕とか思ってた、
(+400p)
1年間体験でやった部活も全然才能なくて、運動デキる方だったが、自分よりデキル奴がいてなんかバカバカしくなって、
そういう奴のこと妬んで、愚痴言って、本気とか必死とかほざいてる奴のこと正直ムカつくとか、ダッセェとか思ったりして、
(+200p)
優しいのが取り柄だった俺だが、なんか段々らしくない方向に進んで行って、
自分でも分かってたのに、もうどうでも良くなってって、
青春? 恋愛?
そんなの皆無だよ。
強いて好きだった先輩とかマドンナみたいな奴いたけど、
陰キャな俺が話しかけれるはずもなく、告白とかバカじゃん、
でも制服デート、カラオケ、寄り道、放課後の王様ゲーム、決まったメンツで弁当を食う、
正直、やりたかったこと、夢見てたこと、腐るほどあった、
(+700p)
なんで……、なんでもっと俺、やらなかったんだろ。
今後悔しても遅いじゃん。
ごめんなさい神様。怠けて。
ごめん、なにもやろうとしなくて。
全然努力とかしたことないのに、
自分より数倍頑張ってる人のことバカにして、
(1000p)
俺は――
後悔とコンプレックスで埋もれた人生に終止符を打つ。
これ以上まえは――
俺は拳を握りしめ、
ギリィ
俺は歯を思いっきり噛み締めた。そして
ゆっくりと落ちてった。
♪
コンボ炸裂――レベルアップ!
レベルアップ!レベルアップ!
――レベルアップ!
♪
―― Lv.MAX
魔力値上昇↑×2 ――カンスト!
特性――「
「…………走馬灯」
幸いにも、木に何回かつっかかったようで意識はあった。
いや、もう死んでるかもしれない。
体の感覚がもう無いんだ。
でもまさか、女性アナウンサーの声が最期に出迎えてくれるなんてな……。
――俺らしいや。
頬が吊り上がる。
……でももし、生まれ変わって新しい人生を歩めるなら、
来世がどんな環境であろうと、
俺は死んでも最初から最後までやり切れる――
二言なんてない、男らしく生きる。
――もう後悔なんてしたくねぇ
俺がやりたいよう全力で生きまくりたい――
「……都合良いことぐらい分かってる、俺はきっと生まれ変わることもなく――ジゴク行きだ」
涙がボロボロとこぼれる。
、、もう、、何もかも、、全部全部全部全部全部全部全部、、もう――遅い、、
(―― EX.1000000000000000000000000p ――)
♩――ピロン
Lv.上限更新!
(…………ぁ?)
固有特性――〈
オマケで▻
!!!!【条件】クリアを確認――【緊急転移】!!!!
―――――――!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!11!!――――――――
(………………なんだよ、………………………………転移って……)
壮大に広がる夜空の下、俺は仰向けのまま静かに目を閉じた。
————————————————————————-
最後まで読んでいただきありがとうございました!
皆さんは人生で後悔したことありますか?
ぜひあれば、コメントとかで教えてほしいです!
(主は後悔しまくってるので……)
面白かった、共感できた、続き気になる!と少しでも思っていただければ、❤️🔥、コメント、⭐️⭐️⭐️お願い致します!
もう二度と、
めんどくさいとか思ったりしない、
甘えたりもしない、
だから――もう一度だけチャンスが、…………
(EX.+1111111111111111111111p)
次回もよろしくお願いします♪
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