第9話 第九章「水の世界《アクアリア》と記憶の鏡」

炎の門を浄化した後、悠真たちは次元の書に記された第三の門——水の世界アクアリアへと向かう。そこは、永遠の雨が降り注ぐ静寂の海と、記憶を映す“水鏡”が存在する神秘の世界だった。

アクアリアでは、記憶を水に映すことで過去を辿ることができる。だが、虚界の王の残滓がこの世界にも侵入し、水鏡を濁らせていた。

悠真たちは、水鏡の巫女・ノアと出会う。彼女は、かつて悠真の前世と深い関係があった人物だった。

「あなたの魂は、幾度もこの世界を訪れている。水鏡がそれを語っているわ」

ノアは水鏡を通じて、悠真の前世の断片を見せる。そこには、リリス、ミラ、そしてノア自身が共に戦った記憶が映っていた。

「俺たちは…何度もこの世界を守ろうとしてきた。でも、なぜその記憶は断片しか残っていない?」

ノアは答える。

「虚界の王は、記憶を喰らう存在。彼に触れた者は、過去を失う。だからこそ、あなたたちは“裁判”という形で記憶を取り戻しているの」

その時、水鏡が激しく揺れ、虚界の王の残滓が現れる。水の精霊たちが次々と飲み込まれていく。

悠真は水鏡に手をかざし、過去の記憶を力に変える。

「俺たちの絆は、記憶を超える。たとえ忘れられても、魂が覚えている!」

三人の力が融合し、水鏡が輝く。虚界の王の残滓は浄化され、アクアリアの雨が止む。

ノアは微笑む。

「記憶は戻らなくても、絆は残る。それが、あなたたちの強さよ」

こうして三つの門が浄化された。だが、虚界の王の本体は、中心界オルディアへと向かっていた。

そこは、すべての世界の記憶が集まる場所——そして、最終裁判が行われる地。

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