階級《クラス》・奴隷《スレイヴ》6

しをおう

 始まりの四家と呼ばれた純貴族は、原子の戦いの勝者となり、そう、呼ばれて称えられた。


 では、原始以前の世界はどうだったのだろう?


 数々のスキル体術アーツは、この戦いによって生み出された物が多いが、それ以前の世界ではどうだったのだろう?


 名も無き預言者が現れたのは、この戦い以降、公式な記録はないが、反逆の戦い以降だと言う。


 原始の戦いは今からおよそ数万年前に起こったとされる、天界の管理者を決める戦い。反逆の戦いはそれから1万年ほど後に起こった、サタナエルの創造主への謀反。そこは公式に記録されている。

 

 もっとも、原子の戦いも反逆の戦いも、天使が勝手に作った公式の戦いではあるし、それが天界の歴史と言われればそうなのだが、それは確かにあった。


 混沌とした世界以前の世界。更に混沌とした世界が確かにあった。


 だが、それを確かめる術はない。


 と、誰しもが思っていた――

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る