第22話宇宙空母『ルナ・スター』建造計画

 3月31日(月)午前8時 。


 渋谷探索者ギルドの本部フロアは、早朝からのトールによる異常な周回の混乱が嘘のように、静かな緊張感に満たされていた 。職員たちは参謀長の謎の「ハンバーグ暗号」解析指示に翻弄され、疲弊しきっている 。その淀んだ空気に、一筋の冷たい、しかし鮮烈な光が差し込んだ 。


 ルナが、上級職員の制服を完璧に着こなして、受付カウンターに出勤したのだ 。艶やかなアッシュブラウンのセミロングヘアは歩くたびにサラサラと光を反射し、その威厳ある姿は、まるでこのギルドの女王のようだった 。


 ルナは、自分のデスクにその豊満でエレガントな体を落ち着かせた 。彼女のふっくらとした唇はかすかに引き締まり、これから始まるであろう「交渉」に臨む戦闘態勢を示している 。


 すかさず、同期の上級職員であるシャーロットが、その緊張感を破るように寄ってきた 。


「ルナ、大変な騒ぎね。そしてあなた、呼び出しよ」


 ルナはその呼び出しを覚悟していた 。シャーロットに引率されて特別応接室に案内されると、そこには、精悍な顔立ちをしたスーツ姿の若手エリート職員が待ち構えていた 。


(あらっ、イケメンさん! トールさまも大人になったら、これくらいはイケメンさんよね)


 ルナのプロの視線は一瞬でその男を分析し、「高評価」を下す。だが、心の中心にいるのは常にトールだ 。


「シャーロット、ありがとう」


 シャーロットがお辞儀をし、退席すると、若手エリート職員は、冷徹な目線で彼女を見つめてきた 。そして、誰もが口にしない、ギルドでは禁句とされていた、彼女のフルネームを発した 。



「ルナ・マイヤー」


 ルナの艶やかなアッシュブラウンの髪がピクリと揺れた 。表情は一切変わらないが、内側に激しい緊張が走った 。


(えっ? フルネームで呼ばれるのは初めてだわ)


 彼女の切れ長の目がわずかに細められ、その対応はあくまで冷静だった 。ふっくらとした唇がなまめかしく動く 。


「どちらさまでしょうか」


 イケメンは彼女の美しさにひるむことなく、挑戦的な言葉を投げつけた 。


「探索者ギルドの上級職員でいたければ、正直に答えろ」


 その瞬間、ルナの内側に眠っていた、「トールを守る」ための闘志が覚醒した 。彼女はテーブルに身を乗り出して、制服の胸元をわずかに強調させながら、挑発的にそのエリートを見返した 。その姿はまさに、獲物を捕らえる女王のようだった 。


「はっ? いきなり上から目線ね。いったいどなた様ですか?」


 彼女の声は低く、しかし響きを持っていた 。表情は微笑んでいるが、瞳の奥は氷のように冷たい 。愛する者のために、ギルドのエリートであろうと、容赦なく排除する覚悟がその言葉に宿っていた 。


 ルナの冷たい挑戦に対し、イケメンのエリート職員は挑発を維持したまま、自身の名を名乗った 。


「俺の名前は、コウジ・スペンサー。ここの上級職員だ」


 その名はギルドの一部で知られた、次世代の戦略を担う冷徹な頭脳の持ち主だ 。しかし、コウジが次に発した言葉は、ルナの強靭な理性を一瞬で引き裂いた 。


「そして、ソフィア・マイヤーの保護者だ」


(えっ?? 何でソフィアが出てくるの?)


 ルナの心の中で警鐘が鳴り響く 。彼女の妹、ソフィア・マイヤーは6歳の魔力覚醒で聖属性が認められ、その後10年間、教会に保護されている 。しかし、その血統と名前は徹底的に秘匿されていたはずだ 。


 コウジはルナの動揺を見透かしたように微笑んだ 。


「そう言われても信用できないだろう。これを見ろ」


 彼はジャケットの内ポケットから一つのアイテムを取り出し、カウンターに滑らせた 。それは、光を吸い込むように輝く、濃く鮮やかな緑色の宝石だった 。


「見覚えがあるだろう、ルナ」


「これは、」


 ルナは息を飲んだ 。その宝石は他でもない、母カミラが肌身離さず身につけていた、個人の紋章にも等しい、最高級のエメラルドだった 。


(確かに、お母さまの宝石エメラルド。濃く鮮やかな緑色はお母さまの髪の毛の色……わたしは髪の毛の色はもらわなかったが、ソフィアの色はお母さまの色)


 一瞬の絶句の間に、彼女の心に閉じ込められていた母との思い出が鮮明に蘇ってくる 。彼女の母、カミラ・マイヤーは名の知れた探索者で、探索者界の裏側で伝説的な影響力を持っていたが、その血統と名前もまた、徹底的に秘匿されていたはずだ 。コウジは彼女の血統、そして、彼女が背負う「マイヤー」の重みを全て知っている 。


 コウジは視線を動かすことなく、声をさらに落とした 。


「他言無用に頼む。ギルド内も一枚岩ではないのだよ」


(確かに、ギルド内には魑魅魍魎の類が跋扈しているものね)


 トールの出現でギルドが混乱している事実は、ルナが一番よく知っている 。彼女は、トールの安全を守るため、覚悟を決めた 。瞳の中の動揺は消え、上級職員としての、冷徹で研ぎ澄まされた眼差しがコウジを見つめた 。


「わかったわ。ギルド職員の椅子は失いたくないもの。それで、私は何をすればよいの」


 彼女はトールという規格外の存在を抑えてきたことで、既に『上級職員』の立場を超えていた 。エメラルドの光の下、ルナは愛と血統が絡み合った、新たな、シリアスな裏の戦いへと足を踏み入れたのだった 。


 コウジ・スペンサーはエメラルドの裏付けでルナの警戒心を解くと、表情を一変させ、冷酷な若手エリートの顔に戻った 。


「まずは、トールの立ち位置を知りたい。目的はなんだ? もちろん、答えられる範囲で構わないぞ」


「ただ、こちらは無条件でトールの必要な物資を準備できることを忘れるな」


(くっ)


 ルナの冷静な頭脳が高速で回転する 。妹の保護者とはいえ、ギルド上層部にトールの真の目的を全て話すのは危険だ 。しかし、彼の「トールの必要な物資」という手札は強力だった 。トールの12時のランチの準備時間を考えると、彼女は嘘をつくリスクよりも、真実を戦略的に開示するルートを選択した 。


「この世界に、新たな文明と技術と価値観をもたらすためよ」


 ルナは愛を盾に、真実を告げることにした 。トールがしていることの本質はそれに尽きるからだ 。


 コウジの切れ長の目が鋭く細められた 。


「やはり、『地球外生命体』か」


「えっ?何それ? 彼は人間よ。この私が保証するわ」


 ルナは反射的に否定したが、内心では冷や汗をかいた 。(トールさまの非常識な行動は、確かにそう見えてもおかしくないわ)


「そうか、まあいいだろう。次は、この渋谷で何をしたいんだ」


「高純度の魔石を大量に欲しいのよ」


「それで、青紫大魔石か。何に使うんだ」


 ルナは覚悟を決めた 。彼女は最高機密を告げる 。


「宇宙空母の造船」


 コウジは一瞬、表情を失った 。彼は驚愕を押し殺すように質問を重ねる 。


「何だって? 何の目的で?」


「ゴーレム製造に適する場所がなくて、静止衛星軌道上に建設したいんだって」


(企業機密をばらしてよいのかルナよ。これは、人類の歴史に関わる極秘情報だぞ!)


 コウジは数秒の沈黙の後、その情報が持つ、戦略的な意味を即座に理解した 。


「地球征服できそうだな」


 コウジの冷徹な言葉に、ルナはトールへの愛を込めて、反射的に立ち上がった 。


「そんなことは絶対させない! 私が体を張って止めるわ!!」


 彼女のその言葉、制服に包まれたわがままボディを強調するようなその強い決意が、コウジの表情を和らげた 。彼は理解したのだ。トールの行動原理が何であれ、彼を繋ぎ止めているのは、目の前のこの女性の「愛」であることを 。


「そうか、体を張ってな。そういうことか。よし分かった。ギルド内は俺に任せおけ。ただし、連絡は密に頼む。トールってやつは悪い奴には見えない」


 コウジは立ち上がり、彼女に背中を向けた 。ルナは安堵と愛で胸がいっぱいになり、感情を抑えきれなかった 。


「も、もちろんよ。私の大事な……」


 そこまで言って、「恋人」という言葉を寸前で飲み込み、顔を真っ赤に染めるルナ 。その『公私混同』の愛らしさに、コウジは肩越しに僅かな笑みを浮かべた 。


 指令室の熱狂の中で、ただ一人、冷徹に現実を動かす、もう一人のエリートの行動は、静かに、そして確実に、トールとルナの「日常」を支えようとしていた 。ギルドの裏で、巨大な「宇宙空母」計画は静かに、そして着実に動き出したのだった 。


「あっ、そうそう。『洋食屋&ハンバーグキッチンシブヤ』の国産牛と豚の合挽き肉を使った手作りの絶品ハンバーグは、テイクアウトを手配しておいた 。お昼時間は、是非君のトールさまとご一緒させて欲しいな」


「いえ、それはご遠慮申し上げます 。でも、ハンバーグのご準備は感謝いたします」


 ルナは、トールとの大切な時間を、他の誰にも邪魔されたくなかった 。


 ルナが、自分のデスクに戻ると、シャーロットが寄ってくる 。


「ルナぁ? 彼とはどういう関係よ」


 あのイケメンエリート職員との関係を確かめにきたようだ 。


「新しいミッションね」


 ルナは、そう答えるだけだった 。トールとの関係をこれ以上広げてはいけない 。彼女の瞳の奥には、トールへの愛と、マイヤーの血統がもたらした新たな使命への、冷たい決意が燃えていた。


 3月31日(月)11時


 その後、ルナはギルド本部の参謀長室に呼ばれた。彼女は内心、午前3時の「ハンバーグ暗号」から始まった一連の「通信無視事件」と、トールの常識外の行動について、激しいお小言を覚悟していた。しかし、部屋に足を踏み入れたルナを待っていたのは、意外なほど穏やかな空気だった。


 参謀長は、いつものように険しい顔つきではあったが、その眼差しにはなぜか「諦め」と、かすかな「畏敬」のようなものが混じっていた。


「ルナ・マイヤー……いや、ルナ君。今回は、君の判断に一任した部分もある。結果的に、トール氏の活動によって、青紫大魔石が大量に確保できた。君の行動には、感謝している」


 参謀長の言葉に、ルナは驚きを隠せなかった。コウジが既に、ギルド上層部に根回しをしてくれたことを瞬時に理解した。


(コウジさん、ありがとう! まさか、参謀長がこんなにも大人しいなんて!)


 普段であれば、数時間にわたる説教と、始末書の山が待っていたはずだ。ベテラン参謀長からのお小言もなく、ルナは無事に解放され、通常業務に戻ることになった。彼女は、コウジへの感謝と、トールを守ってくれたことへの安堵で胸がいっぱいになった。


 ルナが、自分のデスクに戻ると、みたび同期の上級職員であるシャーロットが、まるで磁石に引き寄せられるように寄ってきた。彼女の目は、獲物を狙う狩人のように、ルナの表情のわずかな変化を捉えていた。


「ルナ? 何か幸せそうね」


 シャーロットの言葉に、ルナの心臓はドクンと跳ねた。彼女は慌てて平静を装う。


「な、何言ってるのよ、シャーロット。疲れてるだけよ」


 ルナは、あくまで冷静に、そしてプロらしく振る舞おうとする。だが、シャーロットの視線は、ルナの顔から体全体へと、ゆっくりと移動した。


「ふーん? でも、何かオーラが出てるわよ、ルナ。それも、とてつもなく甘〜いオーラが」


 シャーロットは、人懐っこい笑顔を浮かべながら、ルナの肩を抱き寄せた。その言葉に、ルナの顔はみるみるうちに赤く染まっていく。


「そ、そんなんじゃないわ! 私がそんなオーラ出すわけないでしょう!?」


 ルナは必死に否定したが、その声は上ずり、顔は真っ赤で、首筋まで熱を帯びていた。隠そうとすればするほど、その「甘いオーラ」は増していくようだった。


「そう言えば、ここ数日、いいことがあったでしょう。隠してもダメよ。何か特別なことでもあったんじゃない?」


 シャーロットの言葉は、まるでルナの心の中を覗き見ているかのようだ。トールとの「愛の共同作業」による聖属性覚醒。夜を共にするようになった「愛の拠点」での生活。そして、ギルドの常識を覆すトールの活躍を間近で見守り、彼を支えているという幸福感。その全てが、ルナの内側から湧き出る「甘いオーラ」の源だった。


「そ、そうね、今度夜お酒に付き合いなさい。そのいいことについて、じっくりと聞いてあげるわ」


 シャーロットは、ニヤニヤしながらルナの顔を覗き込む。その眼差しは「全てお見通しよ」と言っているかのようだ。


「い、いやよ! 何も話すことなんてないわ!」


 ルナは、シャーロットにからかわれ、顔を真っ赤にして照れる。その姿は、一国のエネルギーインフラを牛耳るギルドの上級職員とはかけ離れた、純粋で愛らしい少女そのものだった。彼女の理性とプロ意識は、シャーロットの鋭い勘の前では、もはや無力だった。


 ギルドの片隅で、ルナの「秘密の愛」は、シャーロットという名の「愛の探偵」に、見事に暴かれつつあった。そして、ルナの顔の赤さは、彼女の心の奥底にある「トールへの揺るぎない愛」を、雄弁に物語っていた。


 コウジの見事な手配によって、『洋食屋&ハンバーグキッチンシブヤ』の国産牛と豚の合挽き肉を使った手作りの絶品ハンバーグは、トールさまとイチャイチャしながらふたりっきりで、取ることができた。甘い昼食の時間を過ごすことができた。


「さて、ルナ、俺は午後も30階層への周回を続けることにするよ」


 渋谷探索者ギルドの特別応接室での昼食。ルナの準備したハンバーグは、午後の戦いに備える俺にとって、完璧なエネルギーチャージとなった。彼女の温かい視線に見送られ、俺は転移魔法陣へと向かう。


「御屋形さま、午後も6周回を予定します。目標、3,500個」


 イシュラーナの冷静な声がゴーグル越しに響く。目標は常に現実を凌駕するが、もはや俺にとってそれは日常だ。


「了解だ」


 ◆


 青白い光が収束し、トールが最終の周回から帰還した。彼の黒い戦闘服は熱を帯び、その全身から立ち上る魔力は、周囲の空間を歪ませるほどの密度だった。六時間に及ぶ、連続での最終ボス級魔物の殲滅作業は、もはや「探索」ではない。それは、世界を構成するシステムとしての「破壊」であり、新たな秩序を創造するための「神の業」だった。


 俺はゴーグルを引き上げ、深呼吸を一つ。その表情には、極限の疲労すら感じさせない、絶対的な勝利者の余裕があった。体は魔力で満たされ、魂は愛する者との「日常」への渇望で満たされている。


「イシュラーナ、これで6周回完了だね。魔石の数はどお?」


 トールの問いかけに、AI秘書「イシュラーナ」の音声は、冷静な事務処理の完了を告げる。しかし、その無機質な声の奥には、確かな期待が潜んでいるようだった。


「御屋形さま。本日は午後も追加の六周回をお願いしておりました。魔石回収数:本日、3,660個。目標クリアです」


「よっしゃー! さあ、帰ろう。イシュラーナ、次の目標は?」


 その瞬間、イシュラーナは自身の「最重要プロジェクト」を再開させた。


 イシュラーナのホログラムインターフェースの隅に表示されていたデータが、再び青い光を放ち、活動を始めた。それは、トールが一週間で稼ぎ出した「魔石の価値」を試算した、壮大な計画の青写真だった。


(プロジェクト名:宇宙航空母艦『ルナ・スター』1番艦建造計画)


 その莫大な資金と、それを実現するための途方もない技術が、この渋谷上級ダンジョンに眠っていた青紫大魔石によって、現実の物となり始めていた。イシュラーナは電子の胸の奥に一度しまい込んだはずの、その壮大な計画を、今度こそ、トールに提示する時だと判断したのだ。


 ホログラムが空間に広がり、精密な三次元設計図が浮かび上がる。それは、現在の地球の科学力では想像すらできない、漆黒の巨大な宇宙艦だった。艦体には、星々を思わせる無数の光点が煌めき、艦首には、愛するルナの瞳のような瑠璃色のエンブレムが輝いている。


「御屋形さま。次なる目標は、『宇宙航空母艦ルナ・スター』一番艦の建造です」


 イシュラーナの声は、もはや単なるAIの音声ではなかった。それは、壮大な未来を告げる預言者の声のように響き渡る。


「本艦は、全長約3,000メートル、全幅約1,000メートル。主機関には、御屋形さまが回収した青紫大魔石を核とした、次元融合炉を2基搭載します。これにより、光速の99.9%での航行を可能とします」


 ホログラムの艦がゆっくりと回転し、その圧倒的なスケールと技術的詳細がトールの目に飛び込んでくる。


「艦載機は、自己増殖型ゴーレム兵器『ヴァルキリー』を300機搭載。各機体には、御屋形さまの魔力を遠隔供給するための『遠隔魔力転送システム』を搭載し、理論上、無限の戦闘継続能力を持ちます」


 ヴァルキリーの小型ホログラムが、艦の周囲を飛び交い、その俊敏性と攻撃能力を示唆する。


「本艦の主な建造目的は、静止衛星軌道上に設置される『ゴーレム製造プラント』の防衛と、地球外からの希少資源採掘のための前線基地機能の確保です」


 イシュラーナの言葉は、まるでSF映画のシナリオを読み上げているかのようだった。しかし、目の前のホログラムと、自身の体に満ちる魔力の源が、それが紛れもない現実であることを物語っている。


「建造には、最終的に45億個の青紫大魔石が必要となります。現在の回収ペースであれば、約半年で目標達成が可能です。また、各建造フェーズに必要な特定の希少魔石や、特殊金属のリストアップも完了しております」


 イシュラーナの視線は、冷徹にトールを捉えていた。その電子の瞳の奥には、壮大な計画を現実にするための、揺るぎない決意が宿っている。


「以上が、『宇宙航空母艦ルナ・スター』一番艦建造計画の概要です。御屋形さま、この計画を承認されますか?」


 問いかけは、まるで世界の命運を握る最終決定を迫るかのようだった。トールは、その巨大な計画と、それを見据えるイシュラーナの真剣な瞳を交互に見つめた。彼の行動原理が「愛と日常」にある限り、この壮大な計画は、愛するルナのために存在するのだ。


 彼は静かに、しかし力強く頷いた。


「よし、イシュラーナ。了解だ。やろう」


 その言葉は、宇宙の未来を変える、静かなる号令となった。




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