愛しの元義妹が可愛いすぎた
おさる
第1話
おはよう、みんな。
今日は新たな物語が始まる日だ。
なぜかって?理由は簡単。
転校初日だからだ!
俺は星崎 悠馬。
いろんな事情で転校することになったんだ。
1階に降りて手と顔を洗う。
そして、朝ご飯の準備だ。
「おはよう悠馬、ご飯作ってもらっちゃって悪いな!」
父は朝早く仕事に行き、夜遅くに帰ってくる。
そして、母は早くに亡くなったそうだ。
そのため、家事は俺が担当している。
「いやいや、気にすんなって。俺がやりたいって言ったんだから。」
朝ご飯が完成し、俺たちは食べ始めた。
「今日は初めて登校する日だろ、大丈夫か?」
「ああ、緊張してるけど楽しみでもあるよ。」
「ならよかった。」
「この高校では彼女作れよ!」
「余計なお世話だ。」
軽く話をしながら朝ご飯を食べ終えた。
「ご馳走様、悪いけど仕事に行かせてもらうよ。」
「うん、わかった。今日も頑張ってくれ。」
「ああ。」
俺は父を玄関で見送った。
その後はお弁当作りだ!
今日は特に気合を入れている。なぜなら転校初日だから。
俺は女子にモテるために豪華なお弁当を作った。
登校時間が迫っている。
「そろそろ学校の支度を始めるか。」
俺は自室のクローゼットを開けて新しい制服に身を包んだ。
これから通う花野高校は俺が住む天音市の隣にあり、かつて通っていた天音高校よりも少し劣るが、そこそこな進学校だ。
生徒数は約480人で1クラスに約40人ほど。
この学校の理念は少し特殊で生徒の自由を尊重し過ぎているため、校則がほとんどない。そのため着崩しが横行しているそうだ。
準備を終え、玄関に鍵をかけた。
「今日は5月1日、天気は晴れ、絶好の転校日和だ!」
俺は駅に到着した。朝の時間は通勤と通学で駅に人が多く、花野高校の人もちらほら見受けられる。
「人が多いな。」
それでも、初めての電車通学に心を躍らせていた。
俺は電車に乗り、電車が次の駅に停車するとある女子生徒が乗り込んだ。
その子は同じ花野高校の制服を着ていて、背丈はあまり高い方ではない。そして胸は少し大きい。
しかし、それ以上に気になることがあった。
「もしかして元義妹(いもうと)なのか。」
俺の父は妻を早くに亡くし、俺が5歳の頃に再婚した。
義母には連れ子がいてそれが元義妹(いもうと)だ。
彼女は可愛い容姿で性格は少し内気だったため、仲良くなるのに時間がかかったっけ。
だが、義妹に元をつけるのは親父と義母は俺が小学4年生の時に離婚したからだ。
気づいた時には離婚していて、俺は義母と義妹とお別れを言う猶予すら与えられず、出て行ってしまった。
そんな約7年ぶりの元義妹(いもうと)を見つけたと思ったが、距離が遠い上に抜群の目の悪さではっきりわからなかった。
「やっぱり勘違いか。」
電車を降り、学校に着くとあらかじめ言われた通りに職員室へ向かう。
「久しぶり星崎くん、待っていたわ。改めて私が2年1組の担任の村雨よ。」
村雨 佳代先生とは転入試験を受けた時や手続きの際に会っているため、すでに面識はある。
「これからよろしくお願いします、先生。」
授業や生活に関しての説明を受けた後、
「悪いんだけど、ホームルームが始まるまでは職員室で待っててちょうだい。」
「はい、わかりました。」
俺は流れで素直に応じたが、職員室にただの生徒の居場所なんてない。ただ気まずい空気が広がる。
しばらくするとチャイムが鳴り、俺は担任の村雨先生に教室まで連れられた。
村雨先生が入っていく。
「今から朝のホームルームを始めまーす。」
みんなにとってはいつも通りの流れだろうが、今日は一味違う。
「今日は新しい仲間を紹介するわよ。」
そう、この俺がやってきた。
クラス中がざわついた。
「もしかして転校生?」
「転校生かも!」
そして俺はドアを開けて自己紹介を始めた。
「初めまして、星崎 悠馬です。親の事情(嘘)で転校することになりました、よろしくお願いします。」
正直、ここで笑いをとるか迷ったが、俺にそんな度胸はない。
その後、この教室に懐かしい声が響いた。
「ゆう兄!?」
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