第十四話 偶然見つけた、古い年賀状
会社の部署を異動になったので引っ越しを余儀無くされた。 引っ越し前の片付けをしていて慌ただしくしていたその時、それまで頂いていた色んな人からの年賀状を収集したクリアファイルがいくつか出てきた。 こういう物を見付けた時、人はふと懐かしさに駆られるのだろう。 ついつい中身を捲って読んでしまった。 家族、親戚、昔からの友人・知人、恩師の先生等、様々な人達からの『言ノ葉』を読んでいるうちに、ついさっきまで私の頭の記憶の中で影を潜め『封印されていた者』が目の前に現れた……。 『髙橋さん』からの年賀状だった……。 懐かしい。 あの『池袋の芸術劇場』での出来事から疎遠にしていたあの男から昔貰った年賀状……。 もう、これを見ても以前のような胸の高鳴りは感じないが、どうしているだろう?
私は彼の暮らしぶりが気になったので、その年の年末に敢えて『年賀状』を贈ってみた。
送り返されてしまうかも知れないのを覚悟で。
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