第九話 寒中見舞い
また年が経って、年末にいつもの様に年賀状を書いた。 いつも私が書けば、彼も賀状の返事を書いてくれる。 今回はどんなハガキが来るのであろうかと期待して待っていると、いつものタイミングになっても返事は来なかった。
待てども待てども返事は来ず、とうとう正月も終わってしまった……。スマホで連絡を取ってみようとしてちょっと考えた。
……なんか催促しているみたいで、ヤダな。
……小さな子供じゃあるまいし……。
そう思い直してスマホは止めておいて、二月辺りまで放って置いた。
二月の上旬に、一通の寒中見舞いがこちらに届いた。 差出人は髙橋さんだった。 裏面には年賀の挨拶を失礼した詫びと、髙橋さんのお父様の訃報が記されてあった。 私は彼の胸中をいたわしく思い、その場で直ぐに電話を掛けた。
「……もしもし」
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