なつばてのうた

kei

なつばてのうた

階下の台所で母が梨を切る音を聞きたい熱の出た午後


アイスひとつ選びきれないこの棚の前でようやく言える もうだめ


ここで倒れたらわたしが倒れたら 倒れられない臆病が杖


どうせなら海がよかった 風もないオフィスでまわるまわる せかいが


こんなこともあろうかとすべて用意して用意してもう疲れちゃったよ


こんなとき思い浮かべるひとはみなそれぞれ大事なひとがいるとか


ただの夏バテきっとただの夏バテと先延ばしにするのではなかった

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なつばてのうた kei @keikei_wm

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