異世界転生・転移者の「末路」を裁く、短編。
勇者、社畜、悪役令嬢、タイムリープ、女神のミス――よくある異世界テンプレを、死後の役所「異世界安置所」で査定していく構成が面白い!
鬼灯と彼岸花の軽妙なやり取りが『死』を扱っているのに読みやすい。
けれど、決して軽く扱っているわけではないです。鬼灯と彼岸花の「温度差」が、絶妙な塩梅を醸します。
二人の人生の終わりを見極める視線は意外と冷たく、時にやさしい。
この作品のいちばん良いところは、異世界ジャンルを茶化しているだけで終わっていないところ。
毎話ごとに描かれるのは、「テンプレ批評」ではなくキャラたちの人生の査定になっています。
各話で二人の結論が違う。切り捨て、救済、同情、バグ。そうした結論の違いがあります。
だから軽いのにどこか考えてしまう。
哲学的なテーマを、ニヒルな二人が軽やかに演出する。
読み終えた後、考えてもよし、考えなくてもよし!
異世界モノが好きな人には色々な意味で、ニヤリとする作品です。