殺人の日
TANE
プロローグ
−近未来−
膨大な人口増加により食料危機が叫ばれる「この国」。
政府は苦渋の決断として年に一度、強制人口減少の為にある日を制定した。
それは「殺人の日」…。
「今年の『殺人の日』は✕月25日、日曜日に実施致します。」
年頭の記者会見で総理大臣はこう述べた。
「殺人の日」とは…、
毎年年に一度、殺人が許される日である。ただし許されるのは殺人のみ、他の犯罪(殺人未遂、死体遺棄、死体損壊、暴行など)はその日に犯せは即死刑になる。しかし殺人の為に行った、または殺人者から逃げる為に行った不法侵入と器物破損は無罪になる。
仕事中(作業中、運転中、授業中)の人は殺してはならない。大事故に繋がる恐れがあるので。
特例があり、未成年は殺してはならない。殺したら即死刑。
未成年も殺人は許される、しかし他の罪を犯せば成人同様即死刑となる。高校三年生は未成年扱いになる。
「殺人の日」実施まであと1ヶ月…。
「今年の『安全地帯』はY県になります。」
総理大臣が会見で伝える。「安全地帯」とは「殺人の日」当日に全国で唯一殺人が禁止されるエリアである。
安全地帯で殺人を犯したら即死刑、無理やり安全地帯から連れ出して殺しても即死刑になる。
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