3-7話 戦争が始まる
部屋の中には祭壇があり、
横に控えた神官に促されるまま、祭壇に飾られた水晶に触れる
その途端に水晶が輝きだし、光が
光はそれからしばらく続き……30秒ほどでパッとはじけるように消えた。
「……これで儀式は終わりなのか?」
あっけない終わりに首をかしげる
隣で見守っていた神官から「『ステータスオープン』と言えばウィンドウが開きますよ」と教えられ、その通りにステータスを開いてみる。
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名前:ケント・サクライ
性別:男 年齢:16 種族:人間
状態:なし
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【ジョブ】
[侍Lv.1]
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【称号】
[異世界からの転移者][見習い戦士]
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【ステータス】
ステータスレベル:1
HP:35/35 MP:18/18
攻撃:30 防御:12
魔力:13 魔抗:10
器用:11 俊敏:10
幸運:6
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【アクティブスキル】
[剣術Lv.1][二刀流Lv.1]
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【パッシブスキル】
[経験値×10倍][攻撃力+10P]
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【新スキル解説】
[剣術Lv.1]
剣を使用するスキルを覚える。
習得条件:ジョブ[侍Lv.1]の獲得。
[二刀流Lv.1]
二本の剣を使用するスキルを覚える。
習得条件:ジョブ[侍Lv.1]の獲得。
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儀式はちゃんと終えていたようで、ジョブの欄には[侍]という表示がされていた。
付き添ってくれた神官に頭を下げて、
「どうだったかな、
外で待っていた
「儀式は無事終了したみたいです。ちゃんとジョブの欄に[侍]って書いてありますし」
「[侍]かぁ。刀での戦いに特化したレア職ね。スポーツマンっぽいキミには合ってるんじゃないかな?」
「そうですね。俺、剣道部でしたし、ちょうどいいかも」
「ならピッタリね。女神様はちゃんと見守ってくれてるのよ、きっと」
「ちゃんと……?」
(なんだか情緒が不安定な感じの子だったけど……。あの子が女神様な世界って、ホントに大丈夫なのかな……?)
――なんとなく不安になる
* * *
コンコン……とノックをする音が廊下に響く。
もうすっかり日も暮れた頃、
「陽莉、あのあと『成人の儀』っていうのに行ってきたんだ。そこでジョブというのを授かってきた。ここはホントにゲームみたいな世界なんだな。明日は
「……おやすみ、
* * *
やって来たのは
(
そこに
「今日は……午前中は座学でこの国の事を学んでもらって、午後からはスキルを試しに初心者用のダンジョンにでも行きましょうか?」
「えー勉強? 気が進まないでござるよ……。
「だからダンジョンの事も先に学ぶのよ
そんな会話が続く中、バンッと応接室のドアが開き、中に一人の男が入ってきた。
「よう、お前らが新しい転移者かい?」
軽い口調で
軽装で動きやすそうな鎧を身につけ、髪はサイドがリーゼントで剃り込みが入り、ポンパドールと呼ばれる前髪をしている。
そんな昔のヤンキー漫画でしか見たことのない髪型の青年が、応接室に揃った転移者たちを値踏みするように見回した。
「あら、
「
「彼は私と同じく四年前に転移してきた、貴方たちの先輩にあたる転移者よ。名前は
「
側頭のリーゼントを撫で上げながら、軽い挨拶をする
どうやら彼が、四年前に
「ムホホッ、見るでござるよ
ひそひそと
「エイタ……お前よく人の事を言えるな。お前のござる口調だって、昔のオタクキャラでしか聞いた事ないのに」
自分の事は棚に上げる
そんな二人を目ざとく見つけた
「おいテメェら。今オレの髪見て笑ってたよな? ああ?」
「あ、いや、笑ったのはコイツだけで……」
「ぬぁっ! 拙者を売る気でござるかケント殿!」
その会話で
「おいテメ、俺の髪型になんか文句あんのかオラ?」
「ヒィイイイッ! ごめんなさいでござるぅうっ!」
さすがはヤンキーの迫力で、思わず震えあがり身を縮こませる
と、そこへ――
「はいはい、後輩相手に凄まないの」
――と割って入った
「それで、何しに来たの
「バーカ、もうそんな事はやらねーよ。いい加減俺も立場ある人間だからな、不良のノリは卒業したっての。つーか、新人教育はひとまず中止だ。クニミツのおっちゃんが、
「立場ある人間は、上司のクニミツ様をおっちゃん呼ばわりなんてしないからね。――にしても軍議って、いったい何があったの?」
訝しむ澪に、肩をすくめながら蓮司が答える。
「戦争が始まるのさ。アインノールド公爵――悪役令嬢って言われてるあのウェルヘルミナとな」
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