昼間の流れ星、夕焼けの星空

春嵐

第1話

昼間の流れ星。また、誰かの願いが叶う。わたしではない、誰かの。


無意味な外回り。わたしが行っても行かなくても、この案件はつぶれる。すでに決まっていることで。わたしが何をしても。それは覆らない。


チームの皆が、頑張って、なんとか軌道に乗るまでの道筋がついた。そういう案件だった。このままやれば成功する。でも、つぶれる。


友だちの結婚式がある。わたしと同じ、昼間の流れ星が見える友だちだった。結婚相手は、わたしの恋人。友だちは、その事実を知らない。何も知らず、わたしの恋人を奪っていく。そしてそれを、わたしは祝福しなければならない。


わかっていた。昼間の流れ星のせいだって。


友だちは、たぶん昼間の流れ星に。好きな人と結ばれることを願った。それが、わたしの恋人とも知らずに。


何の感慨も。湧かなかった。恋人の喪失すら。心は動かなかった。冷血動物なのかもしれない。みんなの頑張りが無駄になっても。恋人が友達に奪われても。泣く気すら起こらない。


昼間の流れ星。とてもきれい。あの流れ星を眺めている間だけは。感情を、得られるような、気がしている。気がしてるだけ。実際は、ただの光を眺めているだけで。


わたしには願いがない。


だから、昼間の流れ星も。ただ、眺めるだけ。

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