第31話 歓迎会

更新遅れました!次話1章最後ラストになるかと思いますがよろしくお願いします!



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俺達は冒険者ギルドに戻り、ヴェルナーさんとアノンさんがいる所に声を掛ける。


「遺跡ダンジョンクリアしました。素材やアイテムの買取をお願いしたいんですけどどうすればいいですか?」


「ノワール君達戻ったんだね。素材系の買取はアノンに一任する事になってるよ。」


「はい、一先ずの間は私が対応させていただきますので声をかけて頂ければ……」


「分かりました、素材を出すのは何処でしましょう?」


「……そう仰られると言うことはかなりの数ありそうですね。マスター、倉庫の使用許可を頂けますか?」


「了解した、許可しよう。」


「ありがとうございます、では早速倉庫へ。」


そういうとメンバー達にはギルドの待合で待っててもらい、俺とアノンさんは倉庫へと向かった。


「ノワール君、ウチの妹はどうでしたか?それなりに鍛えていたんですが……」


倉庫にたどり着き、売る用の素材とアイテムを出す。もちろん、連戦しまくったリッチの物だ。それを出してる時にアノンさんに質問される。


「ルナの動きはとても良かったですよ、正直あそこまで動けるとは思っていませんでした。」


「そうですか……。」


「心配ですか?」


「そうですね、過保護と言われるかもしれませんが私にとって大切な宝物の様な存在です。なので、10歳になった時今後どうしようかと悩みました。ルナの性格的に強くなりたいと言うだろうと思ってましたから。」


「なるほど…好奇心旺盛な感じに見えますしね。」


「そうですね、ルナは好奇心旺盛で向上心がある子です。ルナが強くなれば不埒な輩に絡まれる不安も減りますからその点は賛成なんですが、強くなるには危険が付きまとうのも事実です。」


「まぁそうですね。」


「だからこそ、ノワール君達を見かけた時にこの人達ならルナを任せても大丈夫だと思えたのです。」


「出会ってまもない僕達をですか?」


「一部で噂になってましたから、覚職前にも関わらず上級職3人を前にコテンパンにしたとんでもない子がいると。一目見た時に確信しました。貴方の事だと。」


「買い被りすぎってやつですけどね……」


「冗談にしては下手過ぎますよ。」


「あはは……」


「まぁ、何が言いたいかと言うと……今後もルナの事をよろしくお願いします。」


「はい、任せてください。一旦売る分は出し終わったのでこれで。」


「……凄い量ですが分かりました、鑑定が済み次第ライセンスカードに振り込まれると思います。」


「ありがとうございます、お願いします。」


そう告げると俺はメンバーの元へと戻るのだった。



俺が倉庫から戻るとギルド内がなんだか盛り上がっていた。


「あ、ノワが戻ってきたわ!みんな紹介するわ、彼が私達、強欲のパーティーリーダーのノワよ!彼びっくりする程強いんだから!」


「おぉ!君がノワ君っていうのか!覚職したてのメンバーだけで遺跡ダンジョンクリアしたんだって?大したもんだ!でも、無理だけはするなよ!おじさん達が君たちの味方だ!」


「男前じゃねぇか!こんな可愛い子ちゃんばっかり集めれるだけあるな!」


「あらあら、ホントに可愛らしいわ。何か困った事があったらお姉さん達を何時でも頼るのよ?助けてあげるからね?」


「かー、覚職したてで遺跡クリアか〜、将来有望過ぎるな!俺が遺跡クリアしたのは学園3年になってからだったってのに……でも、こんな子達が頑張ってるなら俺らも頑張らねぇとって元気貰えるよな!」


「俺はよ〜、幼い頃から〈竜の火酒〉で見てたラピスちゃんが立派になってよぉ……嬉しいんだよ……子供の成長ってのは早いもんだとは思っていたがな……泣けるぜ……」


「バカ、飲み過ぎだ。でも、確かにな。俺はアノンちゃんの妹のルナちゃんで同じ感情になったよ。アノンちゃんの後ろにベッタリだったルナちゃんがな……」


「「おじさん達恥ずかしい話はやめてよ!もう!(なのだ!)」」


「こ、これは一体……?」


俺が困惑してるとシロが少しだけ困った様子で説明してくれた。



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ノワがアノンさんと倉庫へと向かった後。


「さて、私達はノワが戻ってくるまでゆっくり待ちましょうか。」


「うん、そうだね。ランクアップも楽しみ!」


「僕もこんなに早くランクアップするとは思ってなかった……」


「私もなのだ、早すぎてびっくりなのだ。」


「あ、あと、今日か明日には説明あると思うけどノワは技術を高める為に対人訓練を主にやりたいと言っていたわ。」


「……確かにダンジョン簡単にクリアし過ぎて手応えがなかった。レベルやステータスが上がっても使いこなせないと意味無い。」


「確かになのだ、特にリッチなんて後半ほぼ何もしてないのと一緒だったのだ。」


「それを危惧したのでしょうね……ホント流石というかなんというか……」


「対人訓練……ノワ君がランディーさんと朝にやってる訓練みたいなものでしょうか……少し不安です。」


「その不安を取り除く為の訓練でしょうから頑張りましょ?」


そんな会話をしていると数人の冒険者達がこっちへと向かってきた。


「嬢ちゃん達、ちょっといいか?」


「……何かしら?」


「おっと、そんな警戒しないでくれ。何もする気はねぇよ。」


「あ、いつも飲みにきてくれるおっちゃん達なのだ!」


「……ノルドさん達、話し掛け方がおじさんすぎ。」


「ラピスとルナの知り合い?」


「そうだぜ、俺達はここ、レーツェを本拠地にしてるAランクパーティー狩人の夜。そのリーダーのノルドだ。後ろの連中は……」


「どうもっす、狩人の夜サブリーダーのレノンっす。」


「ごめんなさいね、ウチのリーダー性格良いんだけど強面で初対面だとびっくりさせちゃったわよね。私は狩人の夜のミランダよ。」


「そうだったんですね、ご丁寧に挨拶ありがとうございます。私達は強欲というパーティーのサブリーダー、セラフィナと申します。ルナとラピスの事は知ってるということなので私の隣の子が……」


「シロコです。強欲でヒーラー兼バッファーをしています。」


「そうかそうか!こちらこそ挨拶ありがとうな!話し掛けたのは歓迎会でもしようかと思ってな!」


「歓迎会ですか?」


「そうだ、ここレーツェの冒険者ギルドは特別仲が良くてな。更にその上、俺達のアイドルのルナちゃんとラピスちゃんまで冒険者になってパーティーに入るって言ってるわ、その入るパーティーは同じ10歳の子達ばかりのパーティーでみんないい子だって言ってるし、これは歓迎会するしかないと思ってな、それのお誘いだ!」


「うぉぉ!おっちゃん達にお祝いされるのは嬉しいのだ!」


「ノルドさん達は騒ぎたいだけなんじゃないの?」


「そ、そんな事ないっす!確かにその理由も1割ぐらいあるかもしれないっすけど歓迎したいってのが本音っす!」


「それに、私達だけじゃなくてここのギルドによくお世話になってる連中みんなそう言ってるんだ。どうだい?参加して貰えないかい?」


「……今リーダーがいないんだけど……いいわ、私達、強欲の歓迎会をして貰えるんだもの!正直こんなに歓迎されると思ってなかったから嬉しいし、参加させてもらうわ!」


「セラちゃんいいの?ノワに相談せず決めちゃって……」


「大丈夫よ、ノワなら快諾してくれるわ!」


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ということがあったらしい。なるほど…定番の不良冒険者に絡まれるお約束展開じゃなくこうなったか。

ルナやラピスが生まれ育った街だもんな。こうなるのはある種必然とも言える。それと同時にルナやラピスは街の人達に大切に育てられてきたんだなと思わされた。

そんな事を考えていると強面のおじさんがこっちへと向かってくる。


「お、君がセラちゃん達が言ってたノワ君かな?初めまして、Aランクパーティー狩人の夜のリーダーを務めるノルドだ。勝手ながら君達の歓迎会をさせてもらっている。リーダーの君へ確認を取る前に始めてしまってすまないな。」


「いえ、こんなに歓迎して貰えて嬉しいかぎりです。俺達も帰ったらルナとラピスの歓迎会をやろうと言っていたところだったので。」


「そうかそうか!喜んで貰えてるなら幸いだ!俺達を始め、ここにいる連中はレーツェを拠点に活動してる。困った事があれば是非頼ってくれ!あと、みんなの前で挨拶だけして貰えないか?」


「もちろんです、こんなに歓迎されてるんですから挨拶させてください。」


「じゃあ、こっちへ来てくれ!」


そういうとノルドさんに連れられて台座になっている所へと連れていかれる。


「みんな、少し聞いてくれ!俺達の新しい仲間を紹介する!」


そういうとノルドさんは台座へ登ってこいとジェスチャーをする。ここで挨拶しろって事だな。


「えぇ……初めまして!強欲というパーティーで活動するリーダーのノワールです!まずは、こんな歓迎会を開いてくれた皆さんへ心より感謝を。しばらくはレーツェを本拠地として活動していきたいと思ってます。若輩者ですがよろしくお願いします!」


そういうと同時に一斉にワッー!と歓声が上がる。あったけぇな……


それからはみんな飲めや歌えやのどんちゃん騒ぎ。冒険者ギルドと向かいのラピスの家の〈竜の火酒〉両方使っての大宴会だ。

セラもシロも楽しそうだし、ルナやラピスはみんなから撫でられたり昔の事をイジられたりしつつもみんな笑顔だ。俺も酒こそ飲めなかったが美味しい食べ物やジュースを飲めて大満足だ。あ、しれっとレイラも参加して今日も冒険者と肩を組んで酒を飲みまくってた。……これは1泊追加だな。


そんな明るい喧騒が続き夜は更けていった。

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