第7話 セラのジョブとやっぱりハイテク過ぎるギルド

第7話


さて、俺の覚職は終わった。次は帰ってからレベル上げだな。その後は、メインジョブにする職を解放するために下級職を複数育成。うん、楽しみだ!

次はセラだな、セラにはまず火のメイジと言われる《ファイヤーメイジ》になって貰うことにした。火、水、雷、土、光、闇のメイジジョブ、それと呪術師と精霊術師を育成してもらうつもりだ。大変だが、これを完了すれば魔法系最強職の1つにつく下準備の一つだから頑張ってもらわないとな…あとはメインの元になるジョブだけはしっかりSUPステータスアップポイントは振ってもらうことにしよう。

そんな事を考えていると、セラが近づいてきて手を握ってきた。


「ノワ、私無事ファイヤーメイジになれたよ!」


「見てたよ、おめでとう!」


「うん、私なる前に死んじゃうってあの時覚悟してたから…ホントに良かった…」


そういうとセラは少しだけ目に涙をうかべる。そりゃそうだ、10歳の子供が命を狙われて襲われてたんだ。怖いに決まってる、それでも笑顔を向けれるセラは強い子だと思った。


「怖かったな、でも大丈夫だ。これからは俺が守ってやるし、セラのことも強くしてみせるよ。」


そう伝えると、セラの頭を撫でてみた。


「え、あの、その…ウキュ……」


あ、顔真っ赤になって混乱してるみたいだ。怖い事が起きた時には更に強いインパクトで上書きしてやればよし!



そうして2人とも覚職を終えると受付から冒険者ライセンスカードとアイテムボックスを渡される。これがもう、超便利!

まず、アイテムボックスはご想像の通り!このアイテムボックスは本来高い物なのだが、この世界ではダンジョンに力を入れてる。なので、国が支援して皆に行き渡るように覚職と同時に配布してたりする。

ライセンスカードは遠隔で連絡を取りあったり、お互いのギルドカードをかざし合うだけでパーティーを組んだり、ギルドからのお知らせやクエスト情報、ダンジョン内のマップ情報やジョブ一覧と条件解説。冒険者達の掲示板やダンジョン産装備やアイテムの売却オーディション等々、要は異世界版スマホ的な超絶便利アイテム。これがあるだけですぐにクエスト受けたりもできるってのが有難いよ。冒険者ランクが上がれば更に昨日も解放されたりする。


一通りライセンスカードを確認してみたが、ダンジョンマップやジョブ解説なんかはそこまで研究は進んで無さそうだ。ダンジョンも難易度で言うと上級下位レベルまでしか解放出来ていない様子だな。ジョブもまだまだ発見出来てないものが沢山ある。

これは多分ゲームのプレイヤーがいないからだろうな、俺達プレイヤーはゲームを楽しむ為に研究して強くなってを繰り返し続けるが、ここはリアル。ダンジョン産の資源のおかげでいくら儲かるからと言っても危険と隣り合わせなのは確か。

ステータスがあると言っても格上過ぎる相手の一撃を食らうと一撃でHPを全損どころか、貫通して命を落とすというのもある話だ。

生きていく上で、そこまでの危険を犯す必要がないってことだな。

まぁ、俺は更に上の難易度のダンジョンにもガンガン潜るし、レイドボスなんかも狩る予定だ、楽しみだな〜。


さて、ギルドカードを受け取ったらまたすぐに馬車に乗って今日は帰宅する。せっかくの王都なので観光したい気持ちは山々だが、今日は他の初覚職の子供たちでいっぱいで何処も大変そうだしな。


「そういえば、セラはもう家の人や、怪我していた護衛の人達と連絡は取れたのか?」


「えぇ、護衛達は今日は安静にして王都で休み、明日先に領地の方へ帰るそうです。メルトステラ家にも連絡がついたんですが、アルベルージュ家へ直接伺うと父が暴走してまして…」


「あはは、セラは愛されてるんだね〜。レイラ、父様や母様はなんて?」


「問題ない。むしろ、ノワール様なら可愛い子の1人や2人連れて帰ってくると思ったとの事で…」


「うちの両親も親バカだったか…」


「ふふふ、ノワもしっかり愛されているみたいね?」


そんな風に喋りながら屋敷へと無事帰るのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る