第4話 懐中時計と、ゴーレム
ある日、星羅は学院の『星屑の砂時計』が暴走を始めた原因究明のために、学院地下の古文書庫に向かう決意を固めた。しかし、そこにはシグルド先生が先客に来ていた。
「ジグルド先生」
シグルドは驚いて振り返る。そして、星羅の身の上話を聴いてくれた。
シグルド先生は、静かな目つきと穏やかな口調で、星羅の話をじっと聞き入る。木製の机に寄りかかりながら、時折頷き、時折静かに相づちを打った。古木の優しさのような、包容力のある態度で星羅の話に耳を傾けている。
家族のこと、懐中時計との出会い、そして魔導学への情熱――すべてを、まるで自分の秘密を打ち明けるかのように。
「私がこの学院に入学したのは、単純に魔導に興味があったからだけじゃありませんでした。魔法の本当の仕組みや、未来を変えるための鍵を見つけたいと思ったからです。でも、その裏には、誰か大切な人を失いたくない、という願いもあったと思います」
シグルド先生は、静かにうなずきながら、話の途中で言った。
「君の気持ちは、とてもよく伝わるよ。その道を選んだのは、ただの好奇心や興味だけじゃなくて、愛や願いが詰まっているということもね」
星羅は少し顔を伏せて、目の奥の感情を隠す。言葉にならない複雑な思いが胸の内に渦巻いた。
「私には、まだまだ知らないことがたくさんあります。でも、友達や先生方、そしてあの時計とともに、私は進んでいきたい。それが、私の今の気持ちです!」
シグルド先生は、優しく微笑みながら手を差し伸べて握手する。
「シグルド先生。私、絶対に時間の魔法の秘密を解き明かします」
しばらくして、星羅は古文書庫で何かの気配を感じると、巨大なゴーレムが静かに姿を現す。
星羅は一瞬警戒したが、ゴーレムの優しい目は、彼女の心の闇を溶かすかのように穏やかだった。
ジグルド先生は星羅にゴーレムを紹介してから、こう言う。
「君が経験した時間の暴走の原因は、アルカスの法則、それに伴う自然の調和の乱れによるものだ。君のような理解者しか、この混乱を正しく解決できない。だから、このゴーレムを好きに使いなさい」
そして先生は続けた。
「古代の知識は正しいが、友の心はさらに正確だ」
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