星空の3人組

そら

第1章 『夜月空』編

第1話 

 ある夏の日の夜に公園で出会ったその女性を見た時、僕は何か懐かしさを覚えたのであった。

 



 僕の名前は夜月空よづきそら。高校二年生。今日はこれから公園で待ち合わせをしているため、急いで向かっているところである。

 実をいうと去年辺りから記憶が曖昧な部分があるのだが、そんな僕に最近話しかけてきてくれた朝日優あさひゆうさんという女性と待ち合わせをしている。一応断っておくと僕達は付き合っている関係ではないのでデートではない。今日は一体どういった用事なのだろうか?

 公園で待ち合わせをしていたため急いで公園へ向かうと、公園へと続く道の途中で優さんと出会った。


「優さんお待たせ」


「空君、こんばんは。呼び出しておいて本当に申し訳ないのだけど、別の予定ができちゃったからこの後の予定はキャンセルして欲しいの」 


 どうやら今日の予定はキャンセルになってしまったみたいだ。それでもわざわざ謝るために直接会いに来てくれる優さんはとても律儀な方である。

 予定がなくなってしまったのは残念ではあるが、優さんから公園に寄ってってみたらと勧められたため、せっかくなので公園までは行くことにしようと思った。




 夜の18時公園に到着した。個人的にこの公園は好きではないので、今日は久しぶりに公園に来たのだった。ブランコや滑り台があるだけの小さな公園だ。

 ブランコでもしていこうかと思い、ブランコへ向かうと1人の女性が座っていた。こんな時間に何をしているのか不思議に思い、つい声をかけてしまった。普段の僕ならそんなことはしなかっただろうが、なぜかその女性が気になったのだ。


「何をしているんですか?」


 尋ねると、その女性は星型のペンダントを探してるのだと答えた。


「良かったら一緒に探しましょうか?」


 またまた柄でもないことを言ってしまった。


「お願いします」


 予想外にも返答が返ってきたので、その女性と一緒にペンダント探しをすることになった。結果から言うとペンダントは見つからなかった。 

 辺りはどんどん暗くなってきてこれ以上は捜索を続けるのは困難であったため今日のところは帰ることとした。


「見つけてあげられなくてごめんね。もう暗いし良かったら家の近くまで送りますよ?」


 しかし、大丈夫ですと断られてしまった。まあ今日会ったばかりの見ず知らずの他人に送ってもらうのは怖いだろうから当然ではあるが。


「一緒に探してくれてありがとう」


 お礼を言われ、僕は久しぶりに嬉しい気持ちになった。空を見上げると、満天の星空が輝いていた。




 家に帰り今日の出来事を振り返ったが、どこか今日公園で出会った女性に懐かしさを覚えたのだがどうしても思い出せなかった。僕が引き篭もりになった前後からところどころ記憶が曖昧なことが多いのだ。

 そういえばあの女性の名前を聞かなかったなと思いつつも、何故かまた会える予感を感じながら眠りについた。

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