第9話 オルカとヌースの森林探索1 動物や魔物と薬用植物

 メガ・ダソス・エラトン雄大な樅の木の大森林に入った後、ヌースさんはまず、僕にこの森林の生息、生育している動物や魔物、薬用植物を教えてくれた。


「いまこの森林は冬への移行準備期間でな、動物や魔物は冬眠したり、より暖かい場所へ移動したり、食料を貯蔵したりして、長く厳しい冬に備えたりしてる。厳しい長期の冬に向けて準備を進める季節だ。だからか虎や魔虎まこ、灰色狼や魔狼まろう、羆や魔熊まゆうが冬を乗り越えようと脂肪を蓄えるために活発になってるな。まあ羆や魔熊はもう11月だから冬眠し始めてるだろう。それとカリブーの大移動もある、秋が終わって12月頃になると角が抜け落ちる落角らっかくの時期になるから、森林の所々に角が落ちている事があるぞ。あと箆鹿へらじか魔鹿まろくも12月中旬から1月末の間に落角するな。麝香牛じゃこううし魔牛まぎゅうは厳しい冬に備えて食料が不足し始めるから、群れで行動して耐え忍んでるだろう。ほかには、小さいのだと、北極狐ほっきょくぎつね黒貂くろてん、栗鼠。鳥は、白梟しろふくろう鶉鷸うずらしぎがん、とかがいる。あとたまに魔鳥まちょうとか魔狐まこ、猪がいる」


 どうやらこの時期の森林は危険な様だ、この時期に森林で活動するのは辞めたほうがいいかもしれない。


 この森林に生息する魔物は、肉食だと主に、種によって体長3.2〜6.2メートル程の魔虎、種によって体長2.4〜3.2メートル程の魔狼、種によって体長2.8〜6メートル程の魔熊、種によって体長80センチ〜1.8メートル程の魔狐。

 草食だと主に、種によって体高86センチ〜4メートル程の魔鹿、1.02〜4.2メートルの魔牛。

 鳥の魔物の魔鳥は主に、種によって翼長13センチ〜6メートル程だ。


 普通の動物でも十分危険だし、更に魔物までいるのだから、やはりこの森林は大変危険だ。


「僕はまだここで活動しないほうがいいですかね?」

「いや、森林の入口付近の浅層なら大きな動物も殆ど出ないし、大丈夫だと思うぞ」

「そうですか」


森林は浅層、中層、深層に別れており、大きな動物が出るのは中層からで、深層からは魔物が出てくる。


「森林の中層や深層に入ってくる冒険者や狩人が動物や魔物と戦うからか、動物や魔物も人が危険だと言うことを知っているし、安易に人がよくいる浅層には来ないから大丈夫だ。それに森林に来る前日に買った獣よけの鈴もある。強い魔物や人を知らない若い動物や魔物には逆効果だが」


(大丈夫だろうか)


「次に薬用植物だが、まずもみは樹脂が傷口や火傷、皮膚の炎症に直接塗布する軟膏になる、咳や風邪の治療のために樹脂を噛んだり、お茶にして飲んだりもするな。葉は壊血病の予防に役立つ茶になる、咳止めや解熱の効果のある薬にもなるらしい。内皮は栄養補給薬になるらしい。日当たりが良く、水はけの良い場所を好む熊苔桃くまこけももは尿路感染症の治療に使われる生薬になる。森林火災後の裸地に生育する柳蘭やなぎらんはいろいろな薬効があるらしい、詳しくは知らん。鋸草のこぎりそうは止血薬や傷薬、化膿止め薬や湿疹薬、健胃薬や消化促進薬、発汗薬や解熱薬、調経薬、強壮薬、鎮痛薬や鎮痙薬、抗炎症薬、胃薬や扁桃炎薬、鎮咳薬、になる。刺草いらくさは関節痛薬や神経痛薬、になる。花粉症薬、解毒薬、貧血予防薬、整腸薬、利尿薬、になるらしい。かんばは樹液が膠原病や痛風、便秘に効果的らしい。“らしい”が多くてすまんな、俺も詳しくない用途や薬効が多いんだ。まあ、用途や薬効は後々覚えればいい。基本は、樅、熊苔桃、柳蘭、鋸草、刺草、樺、の6種類を覚えるんだ。今日はその6種類のうち柳蘭を除く5種類を探して見た目と採取方法を覚えるぞ」

「はい、分かりました」


(めっちゃ大変そう)


 僕とヌースさんの薬用植物採取が始まった。

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