異国情緒だけじゃない。心に触れる怖さや幸福を呼び覚ます描写に浸れる作品

ある人を探すためにシチリアに来たオリヴィエ。そこで出会ったリカルドという男には、彼が探しているあの人と同じタトゥーがあった…

彫り師のリカルドと、絵描きのオリヴィエ。彼らの想いがインクに込められて刻まれていく描写が美しく、シチリアの空気が混ざり合って異国を旅しているような気分にさせてくれる物語です。

それぞれ過去に囚われた二人がこのシチリアで今とどう向き合っていくのか。心の動きが情景描写とともに繊細に表現されて、毎話映画を観ているような気分になれます。
二人の関係や過去はどのように深まり繋がっていくのか…。シチリアという異国の地で起きる物語はどこか別世界のように美しく映りますが、登場人物たちが抱える葛藤や苦しみ、その人を知りたいという愛情にも似た純粋な想いはとても共感できるものでリアリティがあります。

特にタトゥーを掘るシーンがお気におりで、まさにタイトルの通り、インクが生き生きと輝くようで素晴らしかったです。
情景描写の美しい作品を求めている方には特にお勧めできる作品です！ぜひお読みください！

二人がどうなっていくのか…引き続き見守ろうと思います！