「刺さる」より「届く」。幽霊上司が教えてくれる、言葉の本当の強さ
売れないラッパーと、元・人事課長の幽霊。
この組み合わせだけでも十分に面白いのに、読み進めるほど、言葉を届けることの難しさと温かさが胸に響いてくる作品です。
主人公の悠真くんは、不器用で少し強がり。過去に傷ついた経験から、「なめられないこと」が強さだと信じています。
そんな彼の前に現れるのが、説教の切れ味抜群な幽霊の佳代さん。
二人の掛け合いには何度も笑わされますが、彼女が教えてくれるのは、ただの仕事術や人生訓ではありません。
本音は、相手を殴るためにあるのではないこと。
「伝えたい」と思うだけでは、誰にも届かないこと。
そして、本当に強い言葉は、誰かを傷つける言葉ではなく、誰かの心に残る言葉だということ。
第3話のラップバトルでは、勝ち負け以上に大切なものが描かれていて、読み終えたあと、タイトルの意味がじんわり胸に広がります。
笑えて、温かくて、気づけば自分自身の言葉の使い方まで考えさせられる。
悠真くんと佳代さんが、これからどんな言葉を誰に届けていくのか。続きを見守りたくなる物語です。