不思議なホテル(コメディ要素あり)
うみ色の炭酸水🫧
2つの記憶
2つの記憶について 私には両親がいない。
物心ついた時から施設にいた。
いないと言うよりは、会ったことがないだけなのかもしれない。 私は血が繋がった家族と言うものを知らなかった。 でも、施設での暮らしは楽しかった。
気の合う子も多かったし、施設の人は私を大切に育ててくれた。
だから両親がいない環境下でも幸せだった。 そして、私には2つの記憶がある。 1つは幼い頃、この施設に初めて連れられて来た時の記憶。 一緒に来てくれてたその人の顔は覚えていないが、隣にいるととても安心した。 また会えると思っていたけれど、その人がそれ以降施設に来てくれることはなかった。 そしてもう1つ。 もっと大きくなったときのことだろうか、少し記憶がはっきりしている。 今とは違う仲間がいて、その人たちとよく笑いあっていた。 そして、それを遠くから優しく見守ってくれていた人がいた。 その場所はどこだったか分からないが、とても広い場所で外の景色が綺麗だった。 その記憶に出てくる2人は両親か、誰なのかは分からない。 だけど、その2つの記憶を思い出す度に温さと懐かしさでいっぱいになる。 でも、それと同時にどこか胸が締め付けられるような切なさを感じる。 私はいつか必ず、その2つの記憶が私にとって何かを確かめるため、そこへ行きたい。 そして、その人達が誰なのか知りたい。 もしも会うことが出来たなら、聞きたいことがある。 どうして、私を施設に預けたのか。 その理由と意図が知りたい 。 そして、もう1つ。 その人は今でも私のことを愛してくれているのだろうか。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます