転生したけどチートもラブコメもなかったので、カフェを開いて ヒロインを釣ることにした

自宅厨

第1話


さあ来たぞ!今日から俺の夢が大爆走だ!


―――――――――――――――――――――――


気づけばこの異世界(?)に転生して、早いもので十数年。

チュートリアルも、スキル選択も、女神とのイチャイチャも無いまま、気がつきゃ社会に出られる年齢になっていた。

……いや待て。おかしくないか? 俺、異世界転生したよな!?


最初はもちろんテンションMAXだった。

「キタコレ!異世界!俺、チート使いの勇者か何かっしょ!」とか思ってた。

なんなら「俺だけ異能覚醒して魔王ボコる未来あるんじゃね?」とかも。


でも、現実はこうだ:


スキル → なし


ステータス画面 → なし


勇者召喚 → 呼ばれてない


学園ラブコメ → そもそもフラグすら立たない


ハーレム → どこの世界線の話だよそれ


気がつけばただの高校生だし、授業は眠いし、青春もスルーしていった。

それでもワンチャンあるかもと思ってたよ。いや、夢見るのはタダだし?


そんな俺に残されたのは——

謎の変装能力。

そう、魔法でもチートでもない、ただの地味スキル:変・装・能・力!


これ、要る?? 俺、何のために転生した???


……とまあ、長年の自問自答を経て、ついに悟った。


「ないなら、呼べばよくね?」


ヒロインが降ってこないなら、こっちから降らせる準備すればいい。

チートも魔法も無いなら、それっぽい舞台を用意すりゃワンチャンあるだろ!


そう、俺、清水慧は気づいてしまったのだ。


ラノベとかでよく出てくる、なんか人が集まっちゃう系カフェ。

誰が経営してんのか分からん、場末感バリバリなのに、なぜかヒロインが出入りしてる謎カフェ。


アレを作れば、ヒロインが迷い込むかもしれない。

いや、迷い込めッ!!!俺のもとに!!


……というわけで、今日から俺、カフェ開業します。

狙いはもちろん——


ヒロインゲットだぜ☆

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