「Sランクたちの休憩時間」
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――異界の休息空間・Sランク専用待機ルーム。
ここは、選ばれしモンスターのみが入れる特別な空間。
豪華な家具、金色の装飾、ふかふかのソファ。
……のはずだった。
「おい、またコーヒー切れてんぞ。」(灼熱神イグラード)
「飲みすぎなんだよ火の神が。」(聖騎竜アスカロン)
「お前だって昨日“高貴な紅茶”全部飲んだろ!」
「俺は聖属性だから許される。」
「属性差別やめろや!!!」
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「静かにしろ貴様ら。」(神竜バルゼリア)
翼を広げ、どっしり構えるドラゴン。
「主が昼寝しておられる。我らは静粛にせねば。」
「昼寝って……また昼寝してんのかあの人?」(イグラード)
「いや、夜も寝てるし朝も寝てたな。」(聖騎竜)
「寝てばっかじゃねぇか主!!!」
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そこへ扉が開き、入ってきたのはフェニックス。
「みんな~!召喚お疲れ~!いや~今回も派手に燃えたね!」
「お前、自分の炎で主の服焦がしてたぞ。」(聖騎竜)
「アートだよ、アート!!」
「燃焼芸術すんな!!!」
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「……てかさ、主の“また呼ぶ予定”ってほんと信用できんよな。」(イグラード)
「それな。」(フェニックス)
「俺なんか前回、召喚されて“お前強すぎてバランス崩れるから帰って”って言われた。」(アスカロン)
「それクビじゃねぇか!!!」
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「俺は逆に、呼ばれすぎて肩こりやばい。」(イグラード)
「お前の肩ってどこだよ!!!」(フェニックス)
「炎の肩だ。」
「説明になってねぇ!!」
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バルゼリアがため息をつく。
「……贅沢な悩みだな。Aランクたちなど、何週間も呼ばれていないらしい。」
「へぇ、あいつらまだ解散してなかったんだ?」(フェニックス)
「“解散”って言うなよ!!!」(アスカロン)
「でも、あいつらの召喚空間、いつも爆発してない?」
「そういう芸風なんだよ。」
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「そういえばさ、あのAランク虫のやつ、一回間違えて呼ばれたって噂あったろ?」(イグラード)
「リトルワームか?」(聖騎竜)
「そう。あいつ、奇跡的に勝ったとか言ってたけど、たぶん主がミスクリックしただけだよな。」
「ミスクリックて!!!」(フェニックス)
「召喚アプリでも使ってんのか主!?」
「『あっ、違うの押した!』みたいなノリだろ。」
「おい、主の威厳がバグってる!!!」
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「でも、主の前では俺たちも猫かぶってるだろ。」(アスカロン)
「確かに。」(イグラード)
「俺なんか、“燃やしすぎ注意”って毎回注意書き出される。」(フェニックス)
「俺は“喋りすぎるな”って言われた。」(聖騎竜)
「俺は“存在がうるさい”だ。」(バルゼリア)
「主、評価欄に書いてんのかよ!?」(全員)
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「でも……」(フェニックス)
「主が『ありがとう』って言うとさ、やっぱ、うれしいよな。」
全員が一瞬黙る。
「……まぁな。」(イグラード)
「“また頼む”って言葉、あれだけで全部チャラになる。」(アスカロン)
「我もそう思う。」(バルゼリア)
「俺、涙で再生しかけたもん。」(フェニックス)
「お前、再生すな!!!」(イグラード)
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「けどな……」(イグラード)
「俺たちが主の側にいる時、あのAランクどもは何してんだろな。」
「多分、また変なことしてる。」(フェニックス)
「筋トレとか氷像とかやってるらしい。」(聖騎竜)
「聞いただけで地獄だな。」(イグラード)
「平和……というか、暇の極み。」(バルゼリア)
「主も、たまには間違って呼べばいいのにな。」(フェニックス)
「また爆発するだろうな。」(イグラード)
「それも芸術だ。」(バルゼリア)
「芸術の定義が壊れてる!!!」(全員)
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フェニックスが立ち上がる。
「よし!今度、こっちから“逆召喚”してみようぜ!」
「危険思想出た!!!」(アスカロン)
「俺の炎でポータルを逆流させれば――」
「それ爆発する!!!」(イグラード)
「俺たちも芸人みたいになってきたな。」(聖騎竜)
「芸人って何だ。」(バルゼリア)
「……筋肉で笑いを取るやつらの職業だ。」
「それAランクの熊じゃねぇか!!!」
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そこへ、またポータルが光った。
『召喚:Aランクモンスター・リトルワーム』
沈黙。
「……あいつ、また呼ばれたな。」
「主、またミスったな。」
「恒例行事だな。」
「筋肉が呼んでる。」
「お前まで言うな!!!」
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