うちのクラスの委員長、ちょっと可愛すぎやしませんかね?

@Tyatola

第1話 進級!(2025/4/7)

夕方の日差しが差し込む教室。

私は...




同じクラスの女の子、柳原 佳を抱き抱えるような形になっていた。




(...どうしてこうなったぁぁぁぁぁ!!!!!!?????!?!?!?!!!??!??)




時は数時間前に遡る。





私の名前は桜場華!今日からここ、宮園学院高等学校の2年生!

高校生活初めての後輩!新しいクラスメイト!

難しくなる授業...担任の先生が厳しかったらやだなぁ...

いやいやいやいや、ダメダメ!ネガティブ、ダメ、ゼッタイ!

今日も明るく!前向いてまいりましょー!!!











「...オワッタ」


まさか一年生の時に仲良くなった友達全員別のクラスになるとは...


(昔から運悪いんだよなぁ...いや、これ運じゃなくない???)



(...教師ども、許すまじ!!!!!)



「まあまあ、どんまい。そっち遊びに行くからさ!」

「唯ぃ...ありがとねぇ...」


桃乃唯。私のいちばんの友達で、めちゃくちゃ優しい。何度その優しさに救われたことか...

だからこそ離れるのがツライ...


とりあえず!一旦切り替えよう!

また新しく仲良くなればいいだけ!!!

コミュ力には自信があるのです!なんてね♪


さて、今年のクラスメイトはどんな方々なんでしょぉか!早速2年C組に突撃ィィィ!!!!!







『おっはよぉ!今日からよろしくぅ!!!』





なーんて勢い任せでは突っ込みません!

取り敢えず一旦静かに入室。座席表確認!今年の出席番号は14番!「さ」で14番は結構後ろな気がするぞ!


(さて、今年の担任は誰になるのか!)



「はい全員座...ってるなー、よろしい。今年、2年C組の担任を務める、銀杏希だ。初めて担任として受け持つクラスになるから、手探りでやっていこうと思ってる。よろしく。」


担任は面白いと噂の銀杏希先生!銀杏って書いて『いちょう』と読むのはこの先生から学びました!物理の先生で私達と同じ年にこの学校に来た人です!


「さて、早速だが委員会を決めよう。まず学級委員を決めたいんだが、自分からやりたいやつは...そりゃいないよな。誰か相応しいと思うやつがいたら推薦してもいいぞ。」


すると...

「柳原さんがいいと思います!頭もいいしすごく真面目だし!」


いかにも一軍っぽい女子が手を挙げる。

すると教室のそこらからパラパラと手が挙がる。


「俺も去年同じクラスだったから分かる!」

「やっぱテスト学年一位だし任せたいよな!」

「やるべきことちゃんとやれる子ですよ!佳ちゃんは!」


(へぇ、テスト結果の掲示板でしか見たことなかったけど、人望あるんだなぁ。)


「ってことだが、どうだ柳原?」

「...分かりました。皆さんがそう言うなら、やってみます。」

「ありがとな。それじゃもう一人...委員長は柳原でいいとして、副委員長も決めたいんだが。」






(まああがらな「桜場とかどうだ?」...んぇ?)


「まあ成績はイマイチだけど真面目だしね!」

「いやイマイチ言うなぁ!!!」

「いいツッコミだ桜場ァ!...とまあ彼女はムードメーカー的な存在でもありますし、副委員長として最適だと思いますよ。」

「急にまともな推薦しないでもらえるぅ!?」


私を推薦したのは原田くん。友達とは行かずともそこそこ喋る方のクラスメイトでした。

そしてそれに乗ったのが前田さん。いい意味で普通のいい子です。


「てことだ、どうだ桜場。やってみるか?」

「ん〜...まあ気乗りしないですけどぉ...せっかく推薦してもらいましたし、やるだけやってみます!」

「ありがとな。てなわけで初仕事だお二人さん。二人で他の委員会をスパッと決めちゃってくれ。」




「よろしくね、柳原さん!」

「よろしく。わたしは人前で話すのはそれほど得意じゃないから、進行はお願い。」

「りょーかい!じゃあ板書よろしく!」


と言うわけで私が進行。


(...にしても、遠目で見た時は雰囲気から美人さんだなぁって思ってたけど、近くで見たら顔立ちは可愛い系なのね。)


薄い緑がかった髪に、淡く赤みがかった瞳。芯が通りつつも丸みを帯びた鼻、ミニトマトすら入るかどうかと言うほどの小さいお口。そしてなにより透き通るほどの白い肌。全体的に色素が薄いと言うかなんというか。端正な顔というのはこう言うことなのだろう。


「んじゃぁパパッと決めちゃお〜!はいまず図書委員!!!」


ってな感じで進行していると、ものの20分程度で決まった。

(このクラス、とてもやりやすいいい空気感かも。)


「...よしっ!終わり!それじゃ、先生あとは任せました!」

「任された。...いやまさかここまでパパッと決まるとは...それじゃ、次は席替えだな。それじゃ出席番号1番からくじ引きに来い。」


結果発表ぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!


私はいちばん後ろの列、そのグラウンド側窓際2番目の席。ちなみに窓際1番目はというと...


「よろしく。」


柳原さんです!うーん、なんともベタな展開!しかしこの顔が授業中にも見れると思うと至福です。


「さてと、まさか1限で席替えまで終わるとは思ってなかった。本来2限までかかる想定だったからなにもやることがないんだよな。てなわけだ。次の時間は自由時間とする。私は職員室に報告に行ってくる。あ、携帯も触ってよし!高校生らしくRINE交換でもしときな!じゃあ終わり!」


「「「「「「YEAAAAAAAA!!!!!!!」」」」」」


「歓声がアメコミすぎない!?!?」

「ふっ...くふふっ...w」


(えっ、柳原さん笑い方可愛っ!?私なんて大口開けて爆笑だよ?え、可愛っ?!)


「柳原さん!RINE交換しよ!!!」

「桜場さんも!!」

「てかこの場でクラスRINE作っちゃおうぜ!」


(うーん、やっぱり空気がいい。うまくやっていけそうだね。)






そんなこんなで2限も終わり、3限4限も特に面白みもなくお昼休み!

お弁当のお時間です!

(いやぁ、お腹すいた!!!)





クゥ~





(ん?今の...私、ではない。

...てことは...)



「////////////////」


柳原さんだぁぁぁぁ!!!!めっちゃ顔赤い!耳まで赤い!!!とてもお可愛い!!!!!!


(他の人には聞かれてないっぽい。よかったね^ ^)


「柳原さん!一緒にお昼食べよ!」^ ^

「...うん...///」

(絶対聞かれてるぅぅ!!!!!恥ずかしい!死んじゃう!!!!!)


「柳原さんもお弁当?」^ ^

「うん...///」

「それじゃ食べよ!お腹すいたもんね!」^ ^

「お恥ずかしい...///」


「「いただきます///」」^ ^


「...」

「?どうしたの?」

「あ、いや、お弁当、色とりどりで美味しそうだなぁって思って...わたしのは冷凍食品詰め込んだだけの茶色一色だから...」

「じゃあ卵焼き食べる?自信作なんだ!」

「えっ、もしかして手作り?」

「いやぁ、お弁当作るの楽しくって!はい、あーん!」

「え、あ、えと、あーん///...おいしいっ...!」

「    」

「あ、あの、どうかした?あ、お箸に口つけちゃった、ごめんなさい」

「あぁ、いやいやそこは全然大丈夫。むしろありがとうございます」


(あっぶねぇぇぇ!!!!!!

意識飛びかけた!!!!!!

小動物みたいでかわいい!私より身長高いのに!!!)


「ありがとうございます...?あ、じゃあお返しにこれあげる...冷凍だけど...あ、あーん///」


そういって差し出してきたのは唐揚げ。

冷凍だろうと関係ない。美少女の『あーん』つき唐揚げはミシュラン3つ星を余裕で超える。


「あーん!おいしぃ!!!」ガガガガッ

「は、白米が一瞬で...」


柳原さんのご尊顔だけでご飯3杯いけるのにそこに『あーん』と唐揚げがつけばお弁当程度の白米の量じゃ足りなくなるのは周知の事実。


とまあそんなこんななやり取りもありつつ、完食。

午後からは普通に授業なので、その準備。教科は数学。

嫌い!!!!!!!!!!!!!!!!!!

ただ隣に柳原さんがいるので悪くはないです。


そして昼休みの終わりと授業の始まりのチャイムがなる。


「はーい授業始めますよー。学級委員長、挨拶よろしく。」

「起立。気をつけ、礼。」

「「「「「「「「「「お願いします!!!!!!」」」」」」」」」」

「着席」

「はい、去年は1年数学担当だったからわかると思うけど一応ね。樫尾祐だ。引き続きよろしくね。では少しだけガイダンスを。2年生になって、勉強はさらに難しくなります。数学は特に顕著です。今まで以上に集中して授業を聞くように。特に桜場ぁ!!!!学級副委員長なんだってなぁ?去年みたいに赤点スレスレじゃ示しつかないからな!」

「うぇえ!?はい...」

「...頑張ってね?分からないところあったら教えるから...」

「ガンバリマァス!!!!!!!!!!!!」

「よっしゃそのいきだ!それじゃはじめるぞ〜」



そんなこんなで


「この問題分かるか?はい桜場!」

「初っ端!?えーっとぉ...34?」

「はい、X+2な。」

「えぇ!?嘘だ!」

「それ言いたいの俺なんだけど?どう計算した?」



「ここはこの公式を使うんだよ。」

「なるほどぉ!!!」





「はいこの問題!リベンジだ桜場ぁ!」

「はい!X^2+2X+5です!」

「いいぞ正解!その調子!」



とまあ、こんな感じで当てられまくりましたが、おかげで今回の授業の内容はほぼ完璧。

ただ...ほんとにすごいなって思ったのが



「この問題は...柳原、いけるか?」

「3X^3+X-6です」

「よし正解。流石だな。」



どう考えても習い始めて初日に解くような問題ではなかったのに、いとも簡単に...

流石だなぁ...





「じゃ、今日はここまでだな。課題配っとくからちゃんとやれよ〜。てことで副委員長桜場!挨拶よろしく!」

「起立!気をつけ!礼!」

「「「「「「「「「「あざっしたぁ!」」」」」」」」」」


今日はこの時間までなので、SHRをして終わり!

の筈でしたが...


「桜場、柳原、すまんが仕事を頼めるか?

このあとすぐに会議があってなぁ...

春休みに配った提出資料を回収してほしい。未提出の分も調べて出席番号順に並べてくれると助かるんだが...いけるか?」

「わたしは放課後予定はないので大丈夫ですが...」

「私も大丈夫でーす!」

「ほんっとうに助かる!てことで二人の机の上に提出物乗っけてけー。それじゃあ終わったら職員室前の2Cのカゴにぶち込んで貰ってかまわない。宜しく頼むぞ。」


(と言うわけでなんと柳原さんと教室で二人っきりになる機会が!!!!!

先生ありがとう!!!!!


さて、隣に柳原さんもいることですし?ちょぉっといいとこ見せちゃおうぜぃ!数学ではお世話になったしね。)


「あ、桜場。出席番号順にある程度並べといたぞ。未提出は確認してないから宜しく。」


(んぉぅ...見せ場が一つ減った...さすが去年からモテモテの柏田くん。気が効く人だぁ。)


「柏田ぁ!早く来い部活遅れるぞ!」

「うっわすんません先輩!それじゃ頑張ってな!」

「ありがとねぇ!」


確認する資料は4つ。ちなみにクラス全員の出席番号と名前は連携済み!

(ちゃちゃっと終わらす!)


「柳原さんはこっちをよろしく。」

「分かった。あとわたしのことは佳でいい。こっちも華って呼ぶ。」

「あっうん、分かった...じゃあ佳ちゃん、改めて「佳」...わかったよぉ、佳。1年間宜しく。」

「うん、満足。宜しく、華。」

(それじゃあちゃちゃっと終わらせちゃおう!)




瞬間、私たちはあることを見逃していた。


なんと、窓が開けっぱなしだったのだ!!!

そこにちょうど風が吹き込み...



「あぁぁぁ!!!!」

「ありゃ...」



資料が宙を舞い、床に散らばる。


「やっちったぁ...せっかく柏田くんがやってくれたのに...」

「これはもうしょうがない、割り切ろう。」

「そだねぇ...」


ふたりでせっせこ散らばった紙を集める。

(ごめんよ柏田くん。出席番号どころか資料どうしがぐちゃぐちゃに入り混じって...)


「こっちはもう拾ったからそっち手伝うよ」

「うん、助かる...あ、佳足元!」

「え?あっふゃぁ!!!!」



(一言遅かったかっ!!!

あっ、だめだこの姿勢受身取れないし絶対頭打つやつ!

なんとしても頭だけでも守らないと!!!


間に合ええええええええええ!!!!!!)












(とまぁ、はい。このようなことがございました。そして冒頭に戻る、と言うわけですね。


いやぁ間に合ってよかったけどすっごいとんでもない状況だからね今。)


「......!?!?!?!/////////////////////////////」


(あっ今状況を理解したっぽい!てか待ってその顔だめ!!!可愛す------------------



+--+--+--+--+


瞬間、わたしの体は宙を舞った。床に落ちてた資料の一つを踏んでしまったのだろう。

どう考えても頭を打つ姿勢だった。運動はあまり得意じゃないから受け身も取れる自信はない。流石に痛みを覚悟した。





でも、それは訪れなかった。背中と膝裏辺りに暖かい感触。少しだけ荒い息遣いが聞こえる。


恐る恐る目を開けると、眼前すれすれに広がるは桜色の綺麗な髪と、エメラルドグリーンに近い瞳、健康的でありながらも白さを保ったちょうど良い黄金色の肌、シュッとしていてしっかり芯が通っている鼻。そう、桜場華の顔があった。


その多大なる情報量を処理するのに、3秒、またはそれ以上かかっただろうか。状況を理解したわたしは、恥ずかしさとその他の感情の波に飲まれた。顔を見られるのが恥ずかしく、両手で覆う。

持っていた資料が再度床に散らばったが、気にしている余裕もなく。


そのまま10秒、20秒ほどしただろうか。何故か華からの反応がない。


チラリと見やると...


「ふぇぁ!?!?!?!?!?」


すごく安らかな顔をして、わたしを抱き抱えたまま気絶した華の姿が。


「え、ちょ、えぇ?あ、抜け出さないと...え?」


ぐっと身を捩り、華の腕から抜け出そうとするが、なぜか抜け出せない。


「え、なんで?んーーーーーーーーー!!!!!!!!...はぁ、はぁ、む、無理...」


力は弱い方だと思っていたが、ここまではないはずだ。ならば考えられるのは...


(華...力強いな...とにかく!どうにか抜け出さないと!誰かに見られちゃったらわたしも死んじゃう!)


そうこうするうちに30分。

全く抜け出せる気配すらなく...


「桜場ー、柳原ー、おわったk...おっと、お取り込み中だったからすまんすまん」

「いやぁぁぁぁぁぁ!!!!!ちがっいや違くはないけど違うんです!助けて下さい!!!」

「おぅ...柳原お前、そんな声も出せたんだなぁ。」

「うるさいですねぇ!こっちは今にも死にそうなくらい恥ずかしい思い押し殺して頼んでるんです!!!!」

「分かった分かった、訳を聞こうか。」

「資料を整理しようとしたら風に飛ばされちゃったので拾ってたらわたしが資料踏んですべっちゃって、転びそうなところを助けてくれた華が何故か気絶してわたしを離してくれません。」

「うん、前半はわかった。」

「わたしも後半何言ってるのかわかんなかったです。」

「うん、まあいいや、おーい桜場ー、起きろー」ペシペシ

「んぅ?あ、先生!ごめんなさい!まだ終わってなく...て?」

「...」

「うわぁ!ごめん佳!え、もしかしてずっと離れなかった感じ?」

「30分間抜け出そうとしても力が強くて離れられませんでした。そのせいで先生に恥ずかしい姿を見られたので帰りにコーラ奢って下さい」

「いやそっちが滑ったからなんじゃ...」

「うっ...しょうがないなぁ、オレンジジュースで妥協したげる。」

「いやまぁおかげで佳の超絶可愛いお顔を拝めたのでこっちとしてはありがたいハプニングでしたが。」

「っもぅっ!!!!!//////////」

「あら可愛い」

「私はお邪魔か?」

「あっごめんなさい」

「すっかり忘れてたぁ!んじゃちゃちゃっと終わらせちゃいますか!」


という事で、華とわたし、そして会議が終わった先生の3人でしっかり全部回収。資料ごとに分け、出席番号順に並べる。幸い未提出はなかった。


((最初に柏田くんが全部やってくれてた...申し訳ない...))


「ハプニングがあったとはいえ、助かったよ。それじゃ、気をつけて帰れよ。」

「「はい。」」






「はいこれ、コーラ。」

「まさか本当に奢ってくれるとは...」


第2話「身体測定」へ続く!



☆ーーーーーーーーーー☆


みなさん初めまして、茶虎と申します。

唐突なネタ浮上からノリと勢いだけで書いてみましたがいかがでしたでしょうか!

自分、ふと思いましてね?

「主人公が攻めの百合、あんまり見かけないな?」

と。

見かけないなら自分で書けばいいじゃない

「お前は小説界のマリー・アントワネットかい!」というセルフツッコミを入れながらもいろいろと言いたいことはありますが、あまりにも長いと読まれないのでここまでにして。


更新はネタが湧いた時にばばーっと書いて勢いで投下するので不定期極まれりです。気長にお待ちいただいて。

こんな駄作ですが、読んでいただけるとうれしいです。


それではここらで幕引きを。

次回はゲロ甘砂糖吐き散らかす準備をしておいて下さい!


ではまた次回!

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