僕と、そして親友(車)の短くて長い数年間の成長の物語

あんにんとうふ

第1話 出会い。

2015年 春


春の桜が緑になりかかっている頃、、、

 

「え?車?いいよ、僕そういうの。高いし税金とか維持費とか色々かかるだろ?」


友達「いや、それが俺がお世話になってる中古車販売店で、手頃な価格で売ってるんだ。これ逃したらもう乗れないかもだぞ?」



友達に勧められて少し興味が湧いてきた。

元々車は趣味じゃない、自分的には手頃で使いやすい原動機付き自転車の方が好みだった

だが先々月、出勤中に急に動かなくなってやむを得ず廃車になった、自分的にはただの足

(乗り物)としか感じられなかった。


 そこまで言うなら見るだけ見てみようかな。 


そう思ったのが自分でも不思議に思った。これまでは絶対になかったからだ。


「そんなに言うなら見るだけならいってもいいかな、それでどんな車?車種は?」


友達「それが聞いて驚くなよ?昔人気だった7人乗りのファミリーカーだ」


「ファミリーカー??」


この時友達に悪いが何言ってんだと心の中で叫んだ。何しろ僕は独身だ、彼女はここ数年いない、、、実家暮らしで家族は多いが各々車は持っているし、、、


友達「いやそれがな?お前実家暮らしだろ?家族と出かけたりするのにすごく便利だって。しかもリアのテールランプが可愛くてさ、2世代目の車なんだけどな。」


「そう言われれば、見なきゃわかんないけど。とゆうか値段は?」


友達「2003年式で走行距離が10万キロオーバーだから、、、

ぁ、ざっと20万だ。何気に手頃だろ?」


「確かに手頃だね、興味はあるよ、原付と似たような値段だし、今から見に行く事って

 できる?」


友達「俺は時間あるから全然いいぞ!!」


話はとんとん拍子に進み、、、


ーーーーー中古車屋にてーーーーー


友達「これだよ、」


 そこにあったのはトヨタ・エスティマ ACR 40W型だった。

確かに可愛い見た目をしている。さすが初期型は天才たまごのキャッチフレーズが付いてた代物

 最新の車は日産・セレナ や トヨタ・アルファード・ウィッシュ・オデッセイ など色々なミニバンが発売されているが昔ながらでもここまで丸まったたまご型はあまり存在してなかった。昔はよく街で見かけていたが10年も型落ちとなると乗っている人も少ない。

そのことに“特別感“を覚えた


「か、可愛い。最近見なくなった丸まった可愛いたまご型、、、」


友達「だろ?最近は見なくなったけどまだまだのれるぞ?安いし、まあ、時間はあるからゆっくり考えれるだろ?」


「いや、買うよこの車。」


友達「え!?も、もう決めるのか?」

 

 心配と驚きの表情で見つめてくる


「うん、安いし可愛いから。この車にするよ。


 この日、人生で初めて車を買った。だが車を買うのもそう簡単じゃなかった。


友達「まさかこんなにすぐ買うとは、、、」


「いや、自分でもびっくりしてる、こんなに車に一目惚れすることなんてなかったから。」


整備士「ご購入ありがとうございます。それでは手続きを、、、」


  さっき車を買うのはそう簡単じゃないと言ったが、本当にそうだった。


オーナー「印鑑はお持ちですか?、自賠責保険が、、、税金が、、、所有者名義の変更を、、、」


  車を買うには保険や税金を払うための名義変更、購入に関する手続きでその場即決した割に車が来るのは1ヶ月ほどかかってしまった。







次回  初めてのドライブ


  

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僕と、そして親友(車)の短くて長い数年間の成長の物語 あんにんとうふ @ili_ibass

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