エピローグ「新たな世界、続く物語」
魔王が去り、世界には真の平和が訪れた。
ヴァルハイト王国では、賢君となったリリアーナ女王が国を治め、人々は笑顔で暮らしている。
冒険者ギルドでは、ギルドマスターのバルガスが、新人たちに「伝説の冒険者ユウ」の物語を語り聞かせている。
それは、あまりに突拍子もなくて、誰もが「マスターの作り話だろう」と笑うような英雄譚だ。
そして、その伝説の英雄、星野悠は。
「んー、いい天気だなぁ」
とある田舎町の街道を、のんびりと歩いていた。
時折、道端で困っている人を見つけては、「ちょっと」手伝い、感謝の言葉もそこそこにまた旅を続ける。
彼が通り過ぎた後には、なぜか花が咲き乱れ、小さな奇跡が起きるという。
彼は、自分がどれだけ世界を変えたのか、今も完全には理解していない。
しかし、その心にある温かいお人好しな魂と、少しだけ芽生えた「誰かの役に立ちたい」というささやかな自信は、確かに彼を成長させていた。
「さて、次はどこへ行こうかな」
彼の優しい心と無自覚な力が続く限り、この世界には、これからも心温まる新たな物語が紡がれていくだろう。
それは、誰もが幸せになれる、優しい世界の物語。
―了―
転生したら無自覚に世界最強になっていた件。周りは僕を崇めるけど、僕自身は今日も日雇い仕事を探しています。 藤宮かすみ @hujimiya_kasumi
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