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橋元ノソレ
試験本科Web講習アンケート回答
お世話になっております。
(有)無限商事、七篠権兵衛と申します。
この度、
「試験本科Web講習」を、受講いたしました。
「試験対策教本その二」、「過去問題集」には、大変、お世話になりましたことを、厚く御礼申し上げます。
当該試験も終わり、御社におかれましては、此度のWeb講習について、一人、しかも、元学生の身分から、突然、此様な不躾な文章を、お送りいたしましたことを、幾重にもお詫び申し上げます。
前述した講義期間にて、質問及びアンケートから述べればよろしいではないかと、お思いになりますことは、ご尤もでございます。
御不審に思召す点もございましょうが、兎にも角にも、それが難しいことも、また、悉く明白になることでございましょう。
といいますのも、御社の一学生といたしまして、後に受講いたします、名も知れぬ、いわゆる後輩を、
加えて、出来得る限り、講義の全てを体験した自身を以てして、多少なりとも落ち着いた、なけなしの頭脳を回転させ、御社へ、より精緻な回答を、お述べしたいという、その一心からでございます。
御社の講習は、最終五日間、Webからの回答自体が不可能でございました。
従って、先に申し上げました、計画、工程と噛み合わないと知りつつも、後進のため、どうしても、意見を申し上げねばと、このような、遅い時機となってしまいました。
などと、菓子折りか、贈答品の包装か何かのような、お綺麗な事由を建前にしてございます。
しかし、一週に二回のみできる質問のうち、その一回を、アンケート回答に使うという仕様に、権利を失うことをおそれ、そして、試験直前の追い込み時期に、ヘアクラック幅程の余裕もなかった、私の、頭脳と、心の弱さが、生み出した罪悪が、その理由の一端でもある事を、ここに懺悔いたします。
これらを踏まえまして、おそれ多くも、お伝えしたいことがございましたので、ご一読でもいただき、ご配慮いただきますれば、身が軽くなる思いでございます。
勝手極まる使命感に駆られたこと、幾重にもお許しくださいませ。
以下、回答。
一、講習動画の開始時期が早期化は可能か。
御社と、私の、学習方法、並びに、期間について、考え方の相違が、あまりに大きく感じられたのでございます。
誠におそれながら、御社の動画を視聴できる時期、また、教本の配送が、遅いと感じざるを得ませんでした。
教本の、ご送付に関します点は、後述いたします、回答「四」にて、詳細を、お伝えいたしますとことでございます。
私は、人並みの頭脳を携えておりますものでも、特段、容量が良いわけでも、ございません。
従いまして、先人の知恵に縋っては、ヘルマン・エビングハウス氏の記憶研究を、はたまた、シナプスによる、ニューロン同士の接続を、円滑に適正化することを、念頭におきましては、学習方法の基本としてまいりました。
しかし、誠に失礼ながら、講習の開始が遅く、
さらに、仕事の繁忙期と、講習期間が、著しく重複することを考えますと、時間の確保やら、疲労等の点から、講習や諸々について、もういささか早い準備、開始を図っていただけますと、幸いでございました。
勿論、御社の、都合もありますことは、承知の上でございまして、無理を申し上げている訳ではございません
しかし、これは、長期記憶に定着させる事物を、増しますために、学生側の学習機会を増やすと共に、その期間を十分に確保することに、ほかならないことと、ご理解いただけるかと存じます。
講習の早期化、改善を図っていただけますと、恐悦至極に存じます。
二、何故、講習動画が一律なのか。
上記質問にも、関することでございますが、個々に得手、はたまた、不得手が異なることは、自明でございましょう。
苦手な事物から順に、学習を始め、繰り返す機会を増やしますことが、満遍なく、長期記憶の定着を行えますことは、論文や研究を介さずとも、明々白々と、お分かりになることでございましょう。
ここで、当然の疑問が生じることと存じます。
何故、学習動画の視聴ができる時期、並びに、順番が、一律に定まっているのか、ということでございます。
御社の、お決めになった順序が、誤っているというのでは、決してございません。
私なぞには、おそれ多く、例え、舌が何枚になろうとも、どうしてそのようなことが申せましょうか。
一人一人、最適たる学習順序が、
それでも、何故、それは一律であるのか、また、各動画の視聴開始時間を、制限する必要があるのか、私には、見当も及ばぬ、何か、大変、重要重大な理由があるのでございましょう。
しかしながら、Webから、御社へ、質問を行った際、2025年8月28日に、御社より「効率的に学習していただくという考えで」と、回答中にございました。
私の語彙が乏しく、印象の悪い表現になってしまったことを、先んじて、お詫び申し上げます。
鑑みるに、効率的とは、まるで、逆行しているというほか、なんと申し上げましょうか。
興味本位の、自分本位で、大変恐れ入りますが、気になって、仕方がないのでございます。
これが、アンケートの回答であり、質問の受付ではないと、百も承知してございます。
口外できない事情がありますれば、結構でございますので、その事由を、お教えくださいませ。
三、基本問題と作文対策の順序について。
動画の開放状況を、拝見いたしましたところ、講習当初より、作文の記述対策を行っていらっしゃることと存じます。
しかし、御社の「試験対策教本その二」の内容を学習し、その各題目に適した内容を基礎とし、応用たる作文に係る対策を行うことが、効率的と考えるのが、至極、自然ではございませんでしょうか。
つまり、作文の記述を、先んじて行おうということには、疑問を持たざるを得ないことが、お分かりいただけますでしょう。
推測のみで、申し上げることも、憚られるのでございますが、御社の、作文添削に時間が掛かることが、その一因だと存じます。
通年として、計画がございますことは、承知しているつもりでございます。
講習の開始早期化等により、現在、生じている、学習のポロロッカとも申すべき現象の、防止および抑制は図れませんでしょうか。
現在、初めから、作文を添削中の録画を、ほんの8時間、お見せいただく運びとなっておりますが、畢竟、そこから、文章を書くに至るのは、私には、難物でございました。
四、教育熱心な御担当者様。
弊社として、講習の申し込みを行い、手続き完了が、二〇二四年九月三日でございました。
これは、ご送付いただいた、はがきで以て、確認いたしました。
年が明け、年度も一歳老けました、四月のことでございます。
教本、および、日程ほかの、案内について、いつ、連絡の一つでもいただけるかと、思っていたのでございます。
はがきには、支払額、および、年月日ほどの情報しかございません。
講習Web上へ、ログインしましたが、そこにも、欲するものはございません。
あまりに何も、連絡、情報の一つもございませんでした故、私の、気短さ故に、愈々、担当の方に連絡を、試みたのでございます。
この、御担当者様が、大変に、愉快な方でございました。
まず、電話で連絡をいたしましたところ、留守番電話に転送されましたため、間を置くことにいたしました。
すると、数分をおいて、ショートメッセージサービスにて、「会議中なんだ!!どしたー?!」と、ご連絡いただきました。
次に、私が、先んじて、個人的に、学習をおこなっていたため、当該講習Web上から、質問ができずにおりました。
御担当者様に、いつから質問できるかと、その旨を、訊いたのでございます。
「講座視聴がスタートしてから質問対応可能となります」と、ご回答いただきましたが、事実、講座開始後、約一か月ほど、件の質問は、機能しない仕様でございました。
上記の回答から、開始時点から質問できると、思っていたものですから、私の、早とちりであることは存じております。
どうじに、内容の正確性に欠けることが、ご理解いただけることでございましょう。
そして、当該質問に、講習前にも関わらず、対応してくださり、これは、大変、ありがたいことと存じます。
それも、なんと、Yahoo知恵袋を利用した回答でございます。
メディアリテラシーの観点から、自身で、その回答に誤りがないか、勿論、確認いたしました。
結果、間違いはございませんでした。
こちらの対応は、どなたの、判断でございましょうか、お教えくださいませ。
感謝すべきは、御社か、御担当者様か、ベストアンサー回答者か、ほんの
一連の、メッセージについては、記録がございますので、もし、御社にて、ご希望の際には、ご確認いただくことも可能でございます。
ただ、誠に残念なのは、通話に関してでございます。
是非、お伝えしたかったのでございますが、録音する旨を述べると、彼は、ころり態度が変え、その名男優ぶりを、発揮するのでございます。
従って、記録を以て、それらを、お伝えする手段を、持ち合わせていないのでございます。
実に分かりやすくも、微妙でございましたが、これは、私が、嘆きつつ、面白がるのみに、止め置くことしかできない現実が、とても悔やまれるのでございます。
正直を、申し上げますと、未知なる対応への恐怖、社会人としての怒り、呆れ、それら感情が次々に、湧くと同時に、如何様な感情を持つのが相応でございましょうか、一つ、悩みの種にさえなり果てた次第でございます。
特に、「会議中なんだ!!どしたー?!」につきましては、担当の方が、現状を、ただ、お伝えいただいているにいたしましては、「!」なんぞを用いては、怒りを覚えていらっしゃるのかと、恐怖めいたものを感じたのは、代え難い事実に相違ございません。
会議を終え、一服でもされてからでも、ご連絡いただければ、十分でございます。
社会通例といたしまして、他社の、しかも、友人でもない者から、対面にもあらず、文字にて、これをお送りいただくのは、適切でございましょうか。
私の、社会経験不足が故に、そう感じるのでございましょうか。
きっと、超常的な能力か、何かを以てして、相手方の事情を、また、都合の悪い時機を、避けねば、社会人として、認められないのでございましょう。
魔訶不可思議な、天地がひっくり返ったが如き、空前絶後の、勉強経験でございました。
貴重な、経験をいただけましたこと、厚く御礼申し上げます。
五、当該WebのUI。学習計画、期限の確認し難さ。
例えば、と申しましても、実際にあったのでございますが、経験記述の添削可能な期間、および、最終試験につきまして、結局のところ、締め切りが確認できず、間に合わなかったのでございます。
最初に、教本と、共にお送りいただいていた、紙の案内、一枚にのみに、指示があることとは、露知らず、確認せず、紛失しておりましたことは、私の、不徳のいたすところでございます。
誠に勝手で、大変恐縮なのですが、Web上から、随時、日程等を閲覧、および、ダウンロードが可能でございましたら、二の舞を演じる者も、幾ばくか、いなくなるかと存じます。
電子情報の可用性を鑑みて、Web上から、これらを確認できる方が、好手であること、ご理解いただけるかと存じます。
御社のサイトは、簡潔で、良いユーザーインターフェースであることに、相違ございません。
しかし、おそれながら、それ故に、利用者側といたしまして、余白がございますのに、必要な情報が、手に入らないという、不便を、感じたのでございます。
実際、御担当者様から、最初の紙にのみ、記載がある旨を聴き、また、その連絡が、講習に素っ気ない、冷たい口調であったものでございますので、ひどくショックを受けたものでございます。
ちょうど悪いことに、そのご連絡は、私の都合が、よろしくない時機にございました。
「都合悪いんだ!!どしたー?!」などと、御担当者様に倣うべきと、存じておりました。
しかし、いくら、空前絶後の社会勉強をいたしましても、実行いたしますのは難しいものでございます。
当時の、私の感情を思い出しましては、良心で以てして、それは、憚られた、次第でございます。
話が、逸れてしまい、大変申し訳ございません。
必要な情報を、学生が得られるよう、ご配慮いただけますと、幸いでございます。
六、記述に対する違和感。教本に出典の付与。
失礼を承知で申し上げるのですが、教本の文章に、主語と述語が合致していない、内容に齟齬が生じうるものがございました。
例えを挙げますと、「試験対策教本その二」、106頁にて、「水素イオン濃度は、炭酸ガスや希硫酸等を用いて中和させる。」とございますが、これでは、まるで、「水素イオン濃度を低下(中和)させるため、炭酸ガスや希硫酸等を用いる。」と、言っているように読めてしまうことが、ご理解いただけますことでしょう。
中和反応は、水素イオンと水酸化物イオンが、結合することで、中性になる、および、近づくことであるというのは、語るべくもございません。
また、主語と、述語を、抜き出だしますと、「水素イオン濃度は、中和させる」という文章が、出来上がるとお分かりいただけると思いますが、主語と述語が、合致しない、ねじくれた文章であることは、語るにも及ばぬかと存じます。
また、「濃度」に対しては「低下」が、適切かと存じます。
さしずめ、「水素イオンを添加して中和させる場合は、炭酸ガスや希硫酸等を用いる」のような文章が、適切ではございませんでしょうか。
正直を、申し上げますと、関係法令や、示方書の方が、理解しやすい記述やまとめ方を、されている箇所も、あるものでございますから、可能でございましたら、出典を、明記していただけると、幸いでございます。
凡人にも満たぬ、部外者が、何を偉そうにと、お怒りになられるであろうことは、いくら、私でも、想像に難くはございません。
しかし、後進、および、御社の講座の質に、塵芥ほどの足しにでもなりますればと、心を鬼にして、お伝えいたした次第にございます。
以上、回答でございました。
長文、大変、失礼いたしました。
以下、要約。
1.講座・動画視聴の開始が、可能であれば、もう少し早い方が良いと感じました。
2.各人、得意・不得意が違うので、動画視聴の順番に柔軟性があった方が良いのではないでしょうか。
なぜ、効率的な学習を行うに際し、順番が固定なのか、如何なる理由が何かあるのでしょうか。
3.試験において、作文の比重が大きいことは理解していますが、順当に行うとすれば、「試験対策教本その二」で基礎を固めてからではないのでしょうか。
御社の質問・添削に手間と時間が掛かるのは承知しておりますので、講座開始を前倒しして、基礎知識を固め、作文。この流れの方が、効率よく思えます。
(御社の都合も勿論承知の上での一意見です。)
4.こちらから動かない限り、案内や連絡が全くありませんでした。担当者の対応について、留守電後にSMSで「会議中なんだ!!どしたー?!」や、質問に対して、おそらく独断によるYahoo知恵袋を用いた回答を横に流す。御社としては適切な対応なのでしょうか。
5.Web上からも、カリキュラム、日程、締め切り等について、お知らせなどから、随時、確認できる方が良いと思いました。シンプルすぎるくらいには、使い易いUIだと思いましたので、そこの不便さが、目立ちました。
6.「試験対策教本その二」106頁、「水素イオン濃度は、炭酸ガスや希硫酸等を用いて中和させる。」
この文章の主語と述語が合致していません。
また、酸性の濃度を、酸を用いて中和させる文章にも読めてしまいます。
このような齟齬を防止する方策の一つとして、可能であれば、テキスト内容に出典が欲しいです。
以上、要約でございました。
ここまで、お読みいただいて、当然の疑問を、お持ちになったことでございましょう。
何故、
それは、ご尤もでございます。
要約してしまえば、三十にも満たない文章にも
それは、
不誠実にも取れる御担当者様、試験合否の誤報、および、謝罪もなし、誤った回答、質問から一週間ほど空いて試験当日の回答、etc…。
信頼を失うには、あまりに十分な所業でございましょう。
さらには、自己の学習方法を、いつの録画とも知りませぬ、ただ教本を読むだけの、動画の視聴を強いらたのでございます。
まるで、「なくちゃだめだろう」とでも言いながら、百キロもある鎖を、くっつけられたかのようでございました。
唯々、苦悩いたしました、一人の、卑しさが生んだ、復讐でございます。
私の、我儘、安寧のために、理由付けました意見と共に、胸中の廃棄物たる鋭い金属片を、一緒くたに、封をしたものでございます。
こうでもしなくては、どうにも、収まりがつかなかった、悪かったのでございます。
このような不躾を、幾重にも、幾重にも、お許しくださいませ。
匆匆不乙。
社会✕ 人的電子手紙 橋元ノソレ @UtheB
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