6章 橙(だいだい) ― 温もりのいろ(山の巨人バルド)

山のふもとで、炎の巨人バルドが暴れていた。

「橙は太陽の欠片。人間にはまぶしすぎる!」


ぼくは思い出した。

家族と囲んだ食卓のぬくもり。

その色が、だいだいだった。


筆をふるうと、炎が優しい光に変わった。


「橙は、きみの“ぬくもり”だったんだね。」


巨人はほほえみながら、光に溶けていった。

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