第38話 後悔先に立たず
一時間後……。
「ん……お兄ちゃ……。ちょっと……ん……。待って……」
「フェリス?」
「はぁ……はぁ……」
「大丈夫か?」
気が済むまでキスしていいって言ったけどな! 一時間は長すぎなんじゃボケー!
「お兄ちゃん……ごめんなさい。私……もう、限界……」
「そうか……。もう少し、続けたかったが……」
どんだけ、俺とキスがしたいんだよ! てか、体力あり過ぎだろ!
「はぁ……はぁ……」
「フェリスとキスをすると、俺は夢中になってしまうんだ。ごめんな、フェリス。次からは、時間を気にするようにするから、許してくれ」
「うん。別に怒ってないから、大丈夫だよ」
「そうか……良かった」
内心は、めっちゃ怒ってますけどね!
まあ、でも……。これで、レインへのお礼は出来たんじゃないかな。
「あの~」
「え?」
「もう……終わりました?」
「ええ!? リリーナ!?」
開いた扉の隙間から、顔を覗かせるリリーナの姿があった。
「いいいいい、何時から、そこに!?」
「三○分くらい前から……かな。扉の鍵はかかってなかったから、声を掛けようと。そしたら、二人が……」
三○分も前から……。ずっと、リリーナに見られていた……。おいおいおいおい! 最悪じゃねえかよ! めちゃ、恥ずかしいんですけど!)
「あの~。私、お腹が空いちゃって。ご飯が、食べたいなあと」
「あ、ご、ご飯ね。じゃあ、私が急いで作るから待ってて」
俺は恥ずかしさのあまり、居ても立っても居られず、急いでレインの部屋を出た。
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