磔のように立つ案山子――それは死者の贖罪の姿だった。
幽霊が見える大学生・雨切巡が、秋の田んぼで出会った不思議な案山子。黒いスーツ姿で両手を広げ、交差点に立ち続ける福原さんは、生前の罪を償うため、この場所で「何か」を待っているという。
オカルト研究会の翠蓮、予知夢を見る夕夏、そして本譲綴。彼女たちと共に謎を追う中で明らかになる、死後の世界での「赦し」のシステム。だが、償うべき相手はもうこの世にいない――。
「幽霊はお喋りが面倒」と距離を置く巡が、今回ばかりは関わらずにいられない。罪と償い、そして選択。静かに進む物語の中で、登場人物たちの優しさが胸に染みます。
六曜シリーズの一編として、切なくも温かい読後感。続きが気になります。